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ひびの入った

32.文化祭があったら

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大問題発生中。って前にもこんなことあった。
今回は授業中の寒さについて。

廊下側のドアの近くって寒い。かなり寒い。
日は当たらないしすきま風がヒュ〜って。
でも膝掛けとか何かに負けた気がするし絶対使わない。




『(阿伏兎…は遠いか)』




席替えをして、あたしの前に居たはずの阿伏兎は一番遠いところにいる。
教室の端と端なんだ。パシリがいない…っ。

神威は前と同じように隣。
…てわけでもなくて、今は斜め前に神威がいる。




『神威ー寒い』




小声で話し掛けると、少し遅れた反応の後手が伸びてきた。

…ごめん神威。あたし恋愛疎いんだ。
経験ないとか言っちゃ駄目、さすがに傷つく。




『!!』




見兼ねた神威の手があたしの手を掴んだ。
思わず声を出しそうになって、こらえる。

……神威はとにかく、あたしの体制はキツい。

と、周りの男子が気を遣ってくれてあたしと神威の席を近付けてくれる。
嬉しくて泣きそうになった。


でもそんなことしてたらもちろん先生に見付かるわけで。




「何してる!!」

「…ここら辺人口密度高くてちょっと離れたいんすよ」

「そうそう!!」

「…のわりには鴻山と神威がくっついてないか?」

「それは2人が寒がりだからっすよ。見てて暑苦しい」




先生は諦めたのか授業再開。
抗議してた男子にありがとうって口パクで言ったらやんわりした目の笑顔を返された。
いつだかのドラ○もん映画の暖かい目っぽいやつ。

心配されてんのかあたし。






ベストカップル賞受賞

( …あったらな )
( ですよね阿伏兎さん!! )

授業が終わるまで神威はあたしの手を握ってくれました。




◎2人は、初々しくバカップルしてればいいと思う←
20120319




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