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ひびの入った

26.願うことは変わらない

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ちゃんと、学校にいる。行くって決めたのはあたしだし。

ビックイベントがあるのは今日の放課後なんだから、それまでは普通に過ごそう。


…………って思ってた。




「渚嬢!」

「お元気のようで何よりです……!!!」

「高杉は一度も来てません」

「さすが渚嬢っす」

『だぁぁぁぁ!煩い!!今授業中!!!』

「お前が一番煩いわ鴻山!!」




冷ややかな視線をハゲに向けたあと、屋上に向かった。

なんだかんだ言って、あそこはもうお気に入りの場所。阿伏兎が居なければベスト。




『たのもー』

「和?」

『……神威…』




…あれ、あたし…たち、両思い……?
昨日電話で…あー、忘れてたすっかり。師匠のことで頭いっぱいで。




「今俺以外の男のこと考えなかった?」

『!!…どうして?』

「わかるよ、好きな女のことくらい」

『!!!!!』

「照れてるし」

『うっさい…』




とか言いながらも、神威の横まで行ったのは好きなんだろうな。やっぱり。

遠慮せずに神威の近くに居れる。それが嬉しくて…。
浮かれてちゃダメなのに、浮かれちゃう。




「怖い顔してるね」

『今日はね、言うために来たから』

「なにを?」

『言うのがしんどいこと』

「ふーん」




なら言わなきゃいいのに、って神威は言った。

でもそれじゃ、意味ないから。




『逃げてちゃダメだと思って』

「……和は強いね」

『強くなりたいから逃げるのをやめたの。今回のことに関してはもう逃げない』

「他のことは?」

『どうだろ』




逃げるかもしれない…よね。逃げないのが理想だけどさ。

でもあたしは師匠を超さないといけない。
師匠が弟子にくれた課題だから。

逃げたくない。




「俺も強くなるよ」

『え?』

「俺は俺より強い奴を負かしたい。それに和が強くなるんなら俺も強くなんないとね」

『神威…』




あたしは…強くなりたい。






願うことは変わらない

( 人って欲望の塊だよね。常に願ってる )
( ロマンに溢れてるって言おうよ )
( …欲望の種類にもよるって思っとく )




◎意味わからん
20111112




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