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14.コワレテシマオウ

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『阿伏兎ー…あたし大分運悪いかも』


「みたいだな」




校門にはいつぞやの高杉晋助が立っていた。



そういえば島田○助引退したね。
あたし好きだったのに、ヘキ○ゴンとか。



まぁそれは置いといて。




『顔腫れてるから今日は絶対行かない』


「大方三つ編みがなんとかするだろ」


『…神威か』




でもね、阿伏兎。
出てこないんだよ、神威が。



夜兎高の連中は清々しいくらいに高杉を無視してる。



誰が彼の相手をする?




『…阿伏兎、あたし壊れる』


「は?」


『あたし今までの中の1番全力で戦って勝って…皆に話すよ』


「それって…!」




頷いた。
わかってるよ阿伏兎。



あたしは弱いってこと。




『精神的に死ぬかもね。それでも…皆にはちゃんと言わなきゃなんない』




阿伏兎は何もかも知ってる。
なんで阿伏兎なんだろうって今でもちょっと悔しくなる。



でも頼れるのは彼で良かった。
信頼はしてるから。




『だからね、阿伏兎。自分でも何もかもが判らないくらいに…
自我を捨てる、呑み込まれてみる』


「…懐かしいが、止めるの大変なのわかってんのか?」


『ごめん…宜しくね、阿伏兎』




ワガママなのは十分承知。
今までだってかなりワガママだけど。



だからもう隠さない。



1番素直で居られる場所にしたい。



だから…









コワレテシマオウ


(いいんだな?)
(うん、1週間位学校休んだって問題ないでしょ)
(それは学生として…)




◎110826




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