ひびの入った
▼12.本気のわたし
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阿伏兎が近付いてきたのは覚えてる。
その後阿伏兎の声がして…。
やっと自分の意志で動けるようになった感じ。
動けないけど。
かなり本気になったっぽい。
全く動けないんだけど。
しょうがないし思いっきり動いてみようかなぁ。
たのもーっ←
『…あれ?』
視界は動いてるけど体は全く動かない。
詳しく行っちゃえば、白い砂浜が近付いてる。
もしかしなくてもこれ…前に倒れてるだけだよね!?
ぽすっ…
「動けるようになるまで動くなって…何度言ったらわかるんだぁこのすとっこどっこい!」
「大丈夫?」
「えっわっ!!」
なんか変な声出た。
いやだってさ、阿伏兎が支えてくれてると思うじゃん?
近くにいたのは阿伏兎だし。
でも違った。
しっかり支えてくれてる。
阿伏兎だったら腕一本で適当に支えるだけでしょ。
「あ、ありがとっ神威…」
ついでに、紳士的だね、阿伏兎と違って。
って言おうとして止めました。
迷惑かけたのこっちだし、忠犬居なくなったら困るのあたしだし。
「あぁ、さっきの呪文知ってるの3人だけだから誰にも言うなよ?」
「わかったよ」
呪文?
NGSのことか。
呪文があっていつもの自分に戻れるのは知ってる。
でも喧嘩してるときの自分は知らない。
勝手に体が動いてる。
残像的な記憶しかなくて…とにかく無心。
本気の私
(喧嘩してるときのあたしってどうなの?)
(別人)
◎110811
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