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ひびの入った

12.本気のわたし

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阿伏兎が近付いてきたのは覚えてる。
その後阿伏兎の声がして…。



やっと自分の意志で動けるようになった感じ。
動けないけど。



かなり本気になったっぽい。
全く動けないんだけど。



しょうがないし思いっきり動いてみようかなぁ。



たのもーっ←




『…あれ?』




視界は動いてるけど体は全く動かない。
詳しく行っちゃえば、白い砂浜が近付いてる。



もしかしなくてもこれ…前に倒れてるだけだよね!?



ぽすっ…




「動けるようになるまで動くなって…何度言ったらわかるんだぁこのすとっこどっこい!」


「大丈夫?」


「えっわっ!!」




なんか変な声出た。



いやだってさ、阿伏兎が支えてくれてると思うじゃん?
近くにいたのは阿伏兎だし。



でも違った。



しっかり支えてくれてる。
阿伏兎だったら腕一本で適当に支えるだけでしょ。




「あ、ありがとっ神威…」




ついでに、紳士的だね、阿伏兎と違って。
って言おうとして止めました。



迷惑かけたのこっちだし、忠犬居なくなったら困るのあたしだし。




「あぁ、さっきの呪文知ってるの3人だけだから誰にも言うなよ?」


「わかったよ」




呪文?
NGSのことか。



呪文があっていつもの自分に戻れるのは知ってる。



でも喧嘩してるときの自分は知らない。
勝手に体が動いてる。
残像的な記憶しかなくて…とにかく無心。









本気の私

(喧嘩してるときのあたしってどうなの?)
(別人)




◎110811




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