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ひびの入った

8.雨降ってきた

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「お前が夜兎工業1の不良…か?」


『…』




あたしなんで高杉晋助の前で立ってんだろう。



天気予報見てこいで…なんか夜兎工業の生徒に挟まれて…。
逃げ場失った和ちゃんは半強制的に此処に…か。



なんか泣きたくなってきた。



もう大声で国歌でも歌いましょうかね。




「聞いてんのか?」


『え?あーはい。
夜兎工業のトップに君臨したくないのにしてる渚でーす。』


「お…俺は高杉晋助だ。鬼兵隊ってとこのトップだ」




あれ、トップの張り合いしたいのこの人。
てゆうか自己紹介長いよ。




「…習い事はそろばん塾だけだ。
ついでに武器もそろばんだ」


『は?そろばん?』




神威、笑ってあげないで。
なんかがちで言ってるから。



だからそんなお腹抱えて泣きながら大声で笑わないでぇぇぇ!!



なんか高杉から黒いオーラ見え始めたから!
私の目が可笑しくなったのかもしんないけど!




『…っ高杉!!』


「ああ゛ん?」




いやいやいやいや…機嫌悪いにも程度ってやつあるよね!?
こんなあからさまに機嫌悪いってことある?




『えーと…あのさ。喧嘩嫌いなんだ』


「お前が?」


『いえす!!だからお引き取り願いたい』




…。



なんにも言わないね。



なんだこの馬鹿みたいなこと思われてるんだろうな。
どうせ馬鹿だから。
もう気にしないから、馬鹿だもの。




「気にしてんじゃねーのかい?」


『阿伏兎、読心術って時と場を考えるべきだと思う』








「…いいぜ」




急に高杉が言った。
だからなんのことか分かんなかった。



でもちゃんと考えたらあれだよね。



今日は帰ってもらえるんだ。




「…今日は挨拶しに来ただけだからな…。また来るぜ」


『結構です』


「……。」


『結構です』




結局最後までなんにも言わないで校門出てった。



また今度来たら阿伏兎にでも任せようかな。
面倒だもん。



…あ。









雨降ってきた

(濡れる…避難!!!)
(雨に濡れるのも気持ちいいよ?和)
(あ、確かにそうかも。暑いし)




◎110714




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