「あー、暇」

ゴロンとベッドの上で仰向けになった。本当に何もやることがない。サッカーだって今日ないし、つか何か今日やる気でないし、ゲームだってもうクリアしちゃったし、漫画も読み飽きたし、風介はどっかいっちゃったし、本当に暇だ。携帯をおもむろに開いてアドレス帳を見た。誰か暇なやついるかな。ぼーっとしてたらパッと突然画面が着信画面に変わった。

「もしもし」

「暇だから晴矢の家今からいくね」

こいつはいつも突然だ。まったくこっちの都合も聞かないでよ。まあ、俺も暇だったんだけどな。5分くらいしたらインターホンが鳴った。出たらジャージ姿のあいつがたっていた。なんかお菓子とかもってこいよな。

「お邪魔しまーす」

すたすたと俺の部屋に入ってきた。ベッドに寄りかかるように座って「喉乾いた」こいつは姫か。しぶしぶ1階に下りて冷たいお茶をコップに注ぐ。このままあいつに従うのはなんだかしゃくにさわるな。よし、コップにタバスコいれてやろう。5滴だけ入れた所に俺の優しさがにじみ出てる。右のコップに入てスプーンでかき混ぜてわからないようにした。慎重に2階に持っていき、あいつにコップを渡した。

「おっ、ありがとう」

受け取って口をつける。ニヤニヤが止まらない

「…なに?」

「いやっ別に」

危ない危ない。一瞬変な目で見られたけど、お茶をちゃんと飲んだ。よっしゃ!

「げほっ…な、なにこれ!?」

「ひっかかったー!」

辛さに弱いあいつは目を潤ませて睨んできた。怖くねぇっつーの。余裕の笑みをかましてたら急にコップをもって俺の口に無理やりタバスコ入りのお茶を飲ませた。「かっれぇ!」5滴でも十分辛かった。1滴にすればよかった。「思い知ったか」へへんと今度はあいつが余裕の笑みをかます。ムカつく奴だ。そしたら今度は顔が赤くなってきた。は?どうしたんだよ、おい。

「今思ったけどこれって、間接キスだよね」

あいつが変なこと言うからさっきまで暇だった心臓が急に忙しくなっちまったじゃねぇか!なんかこのままあいつにドキドキされられっぱなしはやだったから、無理やりキスしてやった。



たいくつハニービー



企画様提出
20100827

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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