小説
5年くのたま / 変態臭 / 企画 / ×血フェチ

怪我をしてしまった。組手の相手のグーパンが顔面を直撃した。派手に鼻から流血する。グーパンしてきたヤツは腹を抱えて笑っているが、私はそれどころじゃないので、授業を抜けていやいや保健室へ向かったのだ。新野先生は珍しい医療器具を買い付けに行って不在らしいし、私のお気に入りの川西くんの学年は臨海実習でいない。三反田くんと猪名寺くんのどちらかがいてくれてもいい。だが鶴町くん、君はだめだ。善法寺さん単体だったら発狂する。



「ぴぎゃああああああああ!!??」
「いらっしゃい!!ナマエちゃん!!!!相変わらず良い流血具合だね!!!!??」

善法寺さん単体だった。過去に数回、彼の餌食になった経験が危険信号を出した。真っ赤のな。このままでは彼の独壇場になってしまう。

「帰るんで!腕を!!放してください!!」
「まぁまぁまぁ…ふぅ、まずは止血しなきゃね」
「アンタ鼻血までいけるんッふぐっ」
「ちゅ、んむ…実は一番好き」

善法寺さん…黙ってればイケメンなのにな…。整った顔が近づいて来て少しでもドキッとしてしまった自分が恥ずかしい。彼が吸い付いたのは唇ではなく私の鼻の孔である。垂涎しながら犬みたいにべろべろべろべろ。頭を両手で掴まれて、ぐりぐり頭の角度を変えながら、私の鼻を余すことなく舐め回す。ねっとりとした息遣いを顔面で感じていると、何故だか力が抜けて、私はその場に座り込んでしまったが、善法寺さんもまた私の鼻を追って、私の太ももの上に落ち着いた。

「はぁ、あっ…ん、ちゅぅっぅ」
「…ふっ、はぁ」

鼻が封鎖されているせいで、口でしか呼吸ができず、息苦しい。決して、私の太ももに擦り付けらている善法寺さんの股間に興奮しているわけではない。絶対に違う。
130720
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