小説
(ユミル視点)

朝っぱらから私は信じられない光景を目撃する。

―-ペロンッ

「キャッ!?」
「クリスタのめくったった〜〜!」
「もー!!」

私の女神の腰巻が捲り上げられていた…こんな公衆の面前で!!!!!恥ずかしがるクリスタもぷりぷり怒るクリスタも可愛いが、そんな表情に私以外の人間がさせているのは面白くない。そして何より、アイツのドヤ顔がムカつく。何だあの顔。
都合よく私の方に走ってきたアイツを、私は身体の前で受け止めホールドする。私のクリスタを公衆の面前で辱めた罪は重いぞ。ちなみに、あっちで緩んだ顔をしているゴリラは後で締め上げる。きゅっと。 

「私クリスタじゃないよ?」

腕の中でもぞもぞと居心地が悪そうに動いているが、開放する気はない。クリスタとよりも身長差がないからか私の肩にコイツの顎が乗っている。のにとても違和感がある。私だって抱くならクリスタがいいさ。

「知ってるっつの。おい!クリスター!」
「なぁにユミル?」
「コイツの腰巻めくってやれ」
「ファッ!?」
「えっ!?そんな、いいのかな??」
「後生なので!後生なので!!」
「てめーは黙ってろ」
「……」
「まぁ仕返しってことだ……

――ペロンッ

!?」
「キャア!?!?」
「ユミルのもめくったった〜!!シュワッ!!」

私が驚いて固まった隙に、屈伸をして腕からすり抜けて逃げやがった。コイツ…コイツ!!!覚えてろよクソが…。

それとは別に、なぁ私のクリスタよ、お前の悲鳴がちょっと嬉しそうに聞こえたんだが…いやいや今もほっぺた膨らんでんだよ。右手でクリスタの頬を押し潰すと、ぷひゅっと口から空気が漏れた。
- ナノ -