小説
(ライナー視点)

廊下を歩いていると、後ろからドタドタと品のない足音が聞こえてきた。誰かが走っている、しかもそれは俺の方へ向かってきているらしかった。衝突は避けたい。そう思い、必然的に廊下の端に寄ったのだが。

――ペロンッ

「!?」
「ライナーのめくったった〜〜」

一瞬、事が理解できなかった。…とりあえず分かることは、どうやら目標は俺であったらしいということと、尻に回っている腰巻を、後ろから強引にたくし上げられたということである。何がしたいんだコイツ。思わず虫でも見るような視線を向けてしまったが、事が成し遂げた俺にはもう用済みとばかりに、俺の前方に向かって駆け抜けていった。……何だか切ない気がしなくもないのはどうしてだ。尻丸出しの(と言うとどう考えても語弊があるが)俺だけが残された。
131010
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