小説
桜井兄弟追加@
「これは何だ」
「ごく普通のたこ焼き器とホットプレートですよ?ついでなのでホットプレートも出して粉物祭りといこうかと」
「違うそっちじゃない」
「ですよね」
「ナマエーお腹空いたー」
「早く何か作れ」

あえて視界で捉えないようにしたけど無理だった。桜井兄弟は自分の家と言わんばかりにテーブル周りに着席している。床にペットボトルの入ったビニール袋があるので、手土産は持ってきているらしい。

「つか何でセイちゃんがいんだよ」
「そっくり返すわ」
「お腹が空いたから来たんだ」
「おう」

マジかよ…。ご飯集りに来ること自体は百歩も譲らなくても構わないんだけど、こう連絡もなく突然来るのはやめて欲しいなっていう。

「まぁ…今日のご飯代全部設楽先輩持ちだから好きなだけ食べると良いよ」
「キタこれ」
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桜井兄弟追加A
琥一がやたら鉄板物がうまいということが分かった。気が付けば琥一が鉄板奉行である。ルカもホットケーキで養われたと思われるフライ返し捌きもなかなかである。…というより設楽先輩の酷い有様と並んだら誰でもうまく見えてくる必然さ。

「ねぇ、空いたところでホットケーキやっていい?」
「好きにして」
「おいタコなくなったぞ」
「ケチって一番小さいの買うからぁ」
「よく食うやつが2人も増えたからな!なんか入れるものないか見てくるわ」
「おいナマエ。空いた皿」
「あ、こっち持ってきてください」
「…おいコウ」
「…あぁルカ」
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桜井兄弟追加B
「あれ?まだ具ありましたっけ?」
「セイちゃんどーぞ?」
「え、あぁ……!?」
「設楽先輩面白い顔になってますけどどうかしましたか?」
「な、んだこれは…おい水!!」
「えー…はい、どうぞ?」
「誰だ!何を入れた!?」
「さぁ?」
「何?何が入ってたんですか?」
「お前も食べてみればわかる!」
「は?むがっ…ッ!うぇええマッズ!!これ…キシリかよあほか!!」
「おいしい?」
「うめぇだろ?」
「まずいって言ってんだろ」
「溶けて生地と絡み合っている…」
「キシリなんか持ち歩いてんのコウくらいだろくたばれ!」

ロシアンたこ焼き。
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