小説
設楽と夏休み前
はぁやっと夏休みテンション上がる。部活やってないから合宿なんてないし、赤点もなかったからもちろん補習だってない。バイトして夏課題も計画的に消化しつつ、友達とはがっつり遊ぶ。充実感溢れる夏休みにしたいと思います、まる。

「ナマエ。お前、夏休みは暇か?暇なんだろ?」

うまくいかないのがお約束だろうけれどあえて言いたい。設楽先輩って友達いないんですか。

「私をなんだと思ってるんですか。暇じゃありませんよ」
「よし、暇みたいだな。俺の家に来い」
「話聞いて……は?」
「その顔面白いな」
「ちょ何言ってんですか理解が追いつかない」
「じゃあ俺をお前の家に泊めろ」
「じゃあって何なの話が通じないんですけど。1人暮らしの女子高生の家に上がり込んでどうする気だよ通報しますよ」
「俺のメイドになれ」
「一体どういうことなの…」

次の日荷造り済みの設楽先輩がガチで家に来て心臓が止まりかけるやつ。
110321




設楽と夏課題@
「な、何だァ〜〜ガチで泊まる気かと思ったじゃないですかァ〜〜」
「冗談が通じない奴だな」
「その冗談全然カワイクないんですけど」

本人曰く家に泊まらせろの件りはほんの出来心で冗談だったらしい。ただ外泊はするらしく、荷作りはそのためのものだとか。

「じゃあなぜ家に…。その笑えない冗談かましに来ただけとかだったらはたきますよ」
「課題終わらせに来た」

私昨日計画表作っちゃったんだけど。…ま、まぁいいか。私は私で計画通りにやれば。それに比較的誰かがいた方が捗るタイプだし。

「いいですよ。じゃあ紺野先輩も呼びましょうか?」
「何でそうなるんだ呼ばなくていい」
「私、設楽先輩の宿題手伝えないですけど」
「自力でやらなくてどうする」
「うわっ…どやって顔してる……」

110321




設楽と夏課題A
「思ったより進んだな」
「私も正直びっくりしてます。設楽先輩ってちゃんと宿題とかする人だったんですね」
「バカにしてるのか」
「いや褒めてますけど。そういうとこしっかりしてる人好きですよ」
「!」
「小腹も空いてきた頃ですし、外行きます?冷蔵庫なんもないんで」
「あ、あぁ」

生き抜きがてら買い出しがてら近場のスーパーへ2人で向かう。

「何か食べたいものありますか?できればあまり手のかからないもので」
「……たこ焼き」

不覚にもきゅんとした。たこ焼き器あるし小麦粉は持て余してるし丁度いい。たこ焼き、やろうか。しかしながら何食べたいと聞いてなんでもいいとか答えたらど突いてやろうかと思ったけれど、思ったよりスンナリ答えてくれたので若干機嫌がよくなっていたりする。

「設楽先輩って結構食べます?」
「いや…標準と比べたら食は細い方じゃないか?」
「でしたらタコ一番小さいのでいいですよね。2人だし」
「そうなのか?」
「あとチーズとかキムチとか入れると美味しいんですよ」
「ふーん」
「色々試してみましょうか?」
「そうしてくれ」
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