小説

自分でやらせておいてアレだけど、スキンシップておい…。男と2人きりの時にお姉ちゃんは本気でこんなことするんだろうか。ありえない。これはあらぬ誤解を生みそうだ。お姉ちゃんはこんなにも可愛いんだから、お姉ちゃんに好意があればもちろん、いやそうでなくても、こんなことされたらまともな男子なら…こう、ムラッみたいな…。ダメダメダメダメそれはいけないお姉ちゃんにはまだ早い。
唇にいたずらしてみてよ、冗談で言ったつもりなのにお姉ちゃんは素直すぎるから、言葉通り唇にいたずらされた。指で摘まれるとかじゃなく、ちゅうっと音がして、お姉ちゃんがいつも使っているグロスが跡に残された。ねばっとしている。お姉ちゃん的には犬に舐められたと言うか(お姉ちゃんからだから微妙に違うけど)、そんなニュアンスのつもりなんだろう。ちょっとお姉ちゃん、と呼びかけてみてもきょとんとしてなぁに?とか言ってるし…。いや何でもないのでちょっと抱き着いてみてください。ぎゅうッ。あ、すごく良い匂い。ていうかお姉ちゃん密着しすぎ嬉しいけどなんか容赦なくやわらかい感触が…がッ!嬉しいけど、嬉しいんだけどさ!!

「お、お姉ちゃん…俺も一応、男なんだからさ…」
「ん?」

手、出したくなっちゃうんだけど。とはさすがに言えないや。

(110619/)
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