小説


お姉ちゃんが、誰を傷つけて誰と喧嘩しても、俺だけは絶対にお姉ちゃんの味方でありたい。そう言えば聞こえはいいけど、本心は違う。本当は爆弾なんて教えたくない。爆弾なんて、全部爆発しちゃって俺だけがお姉ちゃんの傍に残ったらいい。そうすれば、お姉ちゃんは少なくとも俺を見てくれるでしょ?……そうは思っても結局行動に移せないのは、きっと俺が酷く臆病で、お姉ちゃんに嫌われたくないと切実に思っているからなんだろうなァ。俺がしたいと思うことが、お姉ちゃんを悲しませるのなら、それはもう俺にとってしたくないことだ。お姉ちゃんが悲しむことはしたくない。だから、たまにアイツ鼻くそほじってるとか工作してもいいかなって思っても絶対に書かない。

(110619/)

- ナノ -