ネタ
game DBH ズラトコハウスに引っ越してきた@

こんなうまい話があるわけない。そう思いつつそんな話に釣られた自分も悪いのだが、一番悪いのはあの不動産屋だと思う。訳ありの客しか相手にしないというだけあって胡散臭さは札付きだったが、仕事の腕は確かだと言う。その噂を信じたのが間違いだったのか。内見なし即金のみ対応。一応希望条件は聞き、あとは客の顔を見ていくつか候補を出すらしいのだが、#名前#の場合は一択しか用意されなかった。訳あって一刻も早く足のつかない隠れ蓑を欲していたし、何より冷静な判断ができなくなっていたのだろう。#名前#は、勧められるがままに購入してしまったのだ。破格の家具付きの豪邸。一部リフォーム済み。

内容を聞けば悪くなさそうだが、その場でアナログな地図を受け取り、やや期待していた名前を待っていたのはお化け屋敷さながらの古めかしい屋敷だった。蔦に覆われているし、庭は荒れ放題。

いつまでも茫然としているわけにはいかないと、#名前#はほぼやけくそぬりながら煤けたドアノブを押した。

「あれ、、中は割とキレイかも?」

家具つきとは、前の住人が残していったものがそのままにしてあるくらいに考えていたのだが、それにしてはキレイに片付いている。リビングには大きな暖炉があったが、煤ひとつない。キッチンや2階にあったバスルームなどの水回りもリフォーム済み、寝室には真新しいベッド。最低限の物色を済ませてみたものの、身一つで来ても十分生活できる環境があつらえてあることが判明し、ヒョウシヌケした。あの外観からこの内装は予想できない。

それに私のような人間がこんなお化け屋敷みたいな家にいるとは思わないだろう。隠れ蓑としてこんなに良い環境はない。

身の安全を確保できたことに安心した。安心したらこれまでの疲れがどっと押し寄せてきて、#名前#は眠りについたのだった。

私の求めていたものに完璧に応えたあの胡散臭い不動産屋は一体何者だったのか。その疑問に答えてくれたであろう不動産屋は、翌日にはもう行方が分からなくなっていた。

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アンドロイド専門美容外科とは名ばかりで単なるアンドロイドの違法改造所。美容外科医もただのエンジニア。名称をそれっぽく変えるだけで客の方から寄ってくるの法則。日本では需要があって荒稼ぎしていたが、いろいろあって日本から高跳び。地下の改造アンドロイドとかジェリコメンバーとか出てくる。


2018/07/09
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