anime osmt チビ太
久しぶりの花金に、馴染みの店の暖簾をくぐり、好きなものを食べて酒を嗜む。それが女が1人でのことであっても、最近では別段珍しくもないはず。別に友達がいないとか、まぁ恋人はいないけど、一緒に飲んでくれる人がいないってわけじゃない。
アホほどいるニートの弟達はすべからく金がない上に暇だから、奢りであれば間違いなくくっついてきてくれる。
良い年した図体のでかい男どもだが、弟というものは何歳になっても可愛いもんだ。
「チビ太、熱燗〜〜。大根とこんにゃくとーー。あ、大根は2つね」
「おぅ!って#名前#の姉貴じゃねぇか!久しぶりだなぁ!」
ケケ、といつものように笑って、スッと熱燗とおでんを皿に取りわけテーブルの上に置いてくれた。
皿には頼んでないはずの昆布巻が乗っている。チビ太を見れば、仕事お疲れさんと一言。どうやらおまけにつけてくれたらしい。
昆布巻、好きだから嬉しいけども。というかチビ太のおでんは全部好きだけども。
6つ子のことを思うとなんだか申し訳ない気持ちになってくる。
あの子たちがツケで飲み食いしてると知ったのは、ごく最近のことで、そんなことを知らなかった私は、今までもおまけをしてくれたチビ太に対してわーい!やったラッキーありがとー!くらいのノリでおまけを頂戴していた。
自分用の熱燗をちびちびしながら、深い溜息を吐くチビ太の裏に、うちの弟達の姿が浮かんだ。きっとまた面倒をかけたのだろう。
「ありがとう、チビ太もお疲れ様だね」
「あー、わり溜息なんか吐いちまって」
「ううん。はぁーあったまるなぁ。やっぱチビ太のおでん最強」
「て、てやんでぇ照れるじゃねぇかバーロー!」
「んふふ、お世辞じゃないから素直に照れとけばいいじゃないの」
ほのかな酔いと、味の良く染みた温かいおでん。
そんなおでんの湯気の向こうには見慣れた顔。1人で来れば、一緒にお酒を楽しんでくれる。悩んだ顔をしていれば心配してくれるし、気分が良ければ一緒に笑ってくれる。
気配り上手で優しい子。
人一倍しんどい思いをして、それでも懸命に生きてきた子。
心身ともに弱り切っている時、ここにくるとすごく元気になれる。
そして、この空間を作っているのは、この小さな男の子なのだ。
久しぶりの花金に、馴染みの店の暖簾をくぐり、好きなものを食べて酒を嗜む。それが女が1人でのことであっても、最近では別段珍しくもないはず。別に友達がいないとか、まぁ恋人はいないけど、一緒に飲んでくれる人がいないってわけじゃない。
アホほどいるニートの弟達はすべからく金がない上に暇だから、奢りであれば間違いなくくっついてきてくれる。
良い年した図体のでかい男どもだが、弟というものは何歳になっても可愛いもんだ。
「チビ太、熱燗〜〜。大根とこんにゃくとーー。あ、大根は2つね」
「おぅ!って#名前#の姉貴じゃねぇか!久しぶりだなぁ!」
ケケ、といつものように笑って、スッと熱燗とおでんを皿に取りわけテーブルの上に置いてくれた。
皿には頼んでないはずの昆布巻が乗っている。チビ太を見れば、仕事お疲れさんと一言。どうやらおまけにつけてくれたらしい。
昆布巻、好きだから嬉しいけども。というかチビ太のおでんは全部好きだけども。
6つ子のことを思うとなんだか申し訳ない気持ちになってくる。
あの子たちがツケで飲み食いしてると知ったのは、ごく最近のことで、そんなことを知らなかった私は、今までもおまけをしてくれたチビ太に対してわーい!やったラッキーありがとー!くらいのノリでおまけを頂戴していた。
自分用の熱燗をちびちびしながら、深い溜息を吐くチビ太の裏に、うちの弟達の姿が浮かんだ。きっとまた面倒をかけたのだろう。
「ありがとう、チビ太もお疲れ様だね」
「あー、わり溜息なんか吐いちまって」
「ううん。はぁーあったまるなぁ。やっぱチビ太のおでん最強」
「て、てやんでぇ照れるじゃねぇかバーロー!」
「んふふ、お世辞じゃないから素直に照れとけばいいじゃないの」
ほのかな酔いと、味の良く染みた温かいおでん。
そんなおでんの湯気の向こうには見慣れた顔。1人で来れば、一緒にお酒を楽しんでくれる。悩んだ顔をしていれば心配してくれるし、気分が良ければ一緒に笑ってくれる。
気配り上手で優しい子。
人一倍しんどい思いをして、それでも懸命に生きてきた子。
心身ともに弱り切っている時、ここにくるとすごく元気になれる。
そして、この空間を作っているのは、この小さな男の子なのだ。
2016/04/02