ネタ
wj srdn 桜木と美少女幼なじみ@

急に花道がバスケを始めた。それもかなり本気らしい。そんな天地がひっくり返るような事実の裏には、たった1人の女の子の存在があるそうな。桜木晴子、彼女の勧めで花道がバスケ部に入部してからというもの、彼は毎日毎日バスケ三昧で、結果的に私たちからして見れば、非常に付き合いが悪くなった。小さい頃からアホで、思い出すと喧嘩ばっかりしていたあの花道が、ようやく熱中できることを見つけたわけだから、もちろん応援したいという気持ちはあるんだけど、正直、複雑である。

「#名前#大丈夫かよ」
「えー…それ聞く〜〜?」
「まァまァ」

私と洋平は、学校から一番近いファミレスでそんな不毛な会話を繰り広げていたわけだが。

「花道の人外すぎる運動能力も喧嘩よりはスポーツに活かされた方が本望でしょ」
「まぁなー…って、そっちじゃなくてよ。好きなんだろ」

何を、とは言わない。分かりきっている。

「いや見向きもされてないから。私が勝手に思ってるだけだっつの」

アイスコーヒーを意味もなくストローでかき混ぜながらため息をついた。(意味もなく、というのは私が今飲んでるのが大好きなブラックコーヒーだからである。ただブラックは男受け悪いから、いつもはもっとかわいらしいものを飲むようにしてるけど)花道のことは小学生の頃から好きだった。当時、私はこの容姿の所為で厄介なことに巻き込まれることが多かった。友達との関係や周りからの視線に疲れきっていた私を救い出してくれたのは、幼なじみの彼だった。その時から、花道は私にとってのヒーローだ。彼のおかげで自分に自信が持てるようになったし、洋平たちみたいな友達もできた。いつでも花道は私の味方で、私を守ってくれた。…好きにならないはずがないじゃない。花道は不良のくせに私以外の女には免疫がなくて、それが勝手に安心感に繋がっていたのだけど。
中学生になってからは、花道は手当たり次第女の子に告白するようになった。洋平曰く、そういうことに興味を持ち始める時期、だそうだ。これが意味すること、花道にとって私はその 恋愛 対象外、もっと言えば女の子として見られていなかったってわけだ。私にだけ緊張しないって、よく考えればそういうことって分かるのに、自惚れていた恥ずかしい。……想いを告げる前に終わっていた。そう、私は戦をする前から負けていたのである。間接的にフラれたというこの情けない事実は洋平しか知らない。

「洋平。私って可愛い?」
「カワイイカワイイ」
「ホント〜〜?」
「お前は最高に可愛い女だよ」
「…だよね、花道の目可笑しいんじゃないの」

そう言って、私は残っていたコーヒーを飲み干す。何だかんだ花道が面食いってことは中学の告白履歴を思い返せば簡単に推測できる。正直、私より可愛くなかったけど。#苗字##名前#は可愛いと男子は皆口を揃えて言う。ただし若干性格に難ありと私の本性を知る人間は言う。
どうせ私は性格ブスよ。だから花道は私を好きには絶対にならない。そんなこと私が一番よく分かってる。


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自他共認める絶世の美少女。若干ナルシスト。イメージは『君に届け』のくるみちゃん。

ここからずるずる流川夢のつもりだったけど桜木か水戸でもいけそう。


2013/08/30
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