ネタ
comic furi ギャルがマネジ業@

どうしてこうなった。そんなセリフがやたらぴったり当てはまる。私は今、炎天下グラウンド周りの草取りをしている…。ダッサイ麦わら帽子を被って、首にタオルを巻いて、だ。篠岡さんのらしいから、彼女には悪いけど。いらないって言っても熱中症になるからと無理やり田島に被せられてしまった。いやいや、ないわー。顔に垂れる汗を首のタオルで拭う。化粧落ちるわマジで。目の前にテンテンテンッとボールが転がってきた。遠くでは7組の水谷君が取って〜と叫んでいた。彼はこうなった直接的な原因ではないけど、八つ当たりしたくなっても仕方がない。本当なら私は今頃クーラーの効いた部屋でアイス食べながら映画鑑賞でもしているはずなのだ。というわけで渾身の力で水谷君目掛けてボールを投げた。ふん、と私はすぐさま仕事に戻る。見てなかったけど、ひえええと情けない悲鳴が聞こえた。元バレー部なめんな。

「…だっる」

ぶちぶちと雑草を抜きながら、やり場のない憤りのせいで余計に体を熱くさせていた。思い返せば、すべては田島の所為だった。どうして私が野球部の世話をしなきゃならないんだっていう。



「おーい#苗字#!」
「あー?何、田島」
「お前、今日ヒマ?」
「はぁ?…暇だけど、何よ」
「篠岡ぁ!#苗字#今日ヒマだってーー!」
「は…は!?」

ちょっと田島どういうこと…と聞く間もなく、田島の大声を聞きつけた篠岡さんが廊下からやってきてしまった。田島と篠岡さんの接点といえば…。嫌な予感しかしない。

「ホント!?#苗字#さん、ありがとう引き受けてくれて…これ、仕事のメモ」
「んん!?」

何やらびっちりと文字が書かれた紙を私に渡すと(押し付ける?)彼女は来たときと同じく早足で教室を出ていってしまった。あまりの勢いに反論できぬまま終わった。つまり、私は放課後の野球部のマネージャー業を引き受けてしまったということ、なの?おい、レンタル今日返却なんけど…。



今日暇って聞き方は本当に卑怯だ。たとえ、それが遊びの誘いだとしても内容によっては断りたいことだってある。今日暇なら○○しない?とかさ、そんな誘い方しろや。そんなこと言っても後の祭りで、私はただひたすら草むしりをするのである。帰りたい。


基本良い人なギャル女子


2013/08/30
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