ネタ
wj aoex サタンの味方

修道院は世界、センセイは神。私はここ以外に世界を知らない。毎日同じことが繰り返される完成した世界だ。

#苗字##名前#にとって、この修道院はまるで牢獄のようだった。投獄された経験は一度もないが、きっとこんな感じなのだろうと思う。ここは、#名前#の牢獄のイメージにすっぽりと当てはまってしまう環境だった。いつものように、部屋では先輩に凌辱暴行を繰り返されその後センセイにも同じようにされる。ただ、今日はいつもと違った。呼吸をするたびに、ハとヒの間のような変な音がした。周りは霞んで見えるし、なんか血は止まらないし、ボキボキに折れた骨のせいで、どこか痛いのかも分からない。私はこのまま死ぬんだろうか。私が死んで誰も悲しまないし、死んだらきっともうこれ以上痛いことはないんだろうなァ。死ぬことを怖いと感じないと、人間はとても冷静になれるみたいだ。だから私は今、死んでしまう直前のような現状で、こんなことを考えることができている。

しかし、結論からいうと、私は死ななかった。

目の前で、センセイ――といっても学校の教員ではないが、ここにいる大人たちを便宜上そう呼ぶ――が青い炎を噴き上げるようにして燃え上がる。断末魔のような唸り声の中に助けろ助けて助けて下さいと聞こえて、それからセンセイが私に手を伸ばしてくる。私は言うことの利かない身体を虫みたいに動かしてその手から逃れる。助けてなんてやらない、巻き添えも御免だ。私を追ってくる手はついに止まり、センセイはその場に崩れるように倒れた。焼け死んだ。いや焼き殺された。私は、離れたところでその一部始終傍観している。次に殺されるのは私かもしれないのに、センセイがいなくなったことに安堵していた。それからしばらくしたが青い炎は私を襲いにこなかった。しんと静まり返った部屋で、私はようやく自分が生き延びたことを理解した。

修道院は世界、センセイは神。私はここ以外に世界を知らない。毎日同じことが繰り返される完成した世界だった。青い炎と出会うまでは。


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青い炎の正体がサタンと知る。
図らずとも恨みの対象を消してくれたサタンの役に立ちたいと考える。
サタンの器になっても壊れない身体を得るために祓魔師になる


2013/08/30
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