ネタ
wj aoex インクブスの血を引く女子C

授業を終えて、何事もなかったかのように帰ろうとしたその時である。

「ちょお待てや」
「ん?私のこと?」

…なんでわざわざ自ら古傷を抉りにくるんだ。そこは何もなかったように振る舞ったほうがお互いのためだと思うのに。ニワトリ君に呼び止められて、仕方なく足を止める。彼の友達は見当たらない…と思ったら、彼の後ろの壁に隠れているのが見えた。……いいのかな。彼的には、2人を先に帰したつもりなんだろうけど…。

「…何であんなことしたんや」

まぁ良いか。

「あんなことって?」
「だッ…だから、き、きき…キス、のことやけど」
「緊急事態で……今後は、もうあなたには近づかないし、もちろんああいうこともしないから」
「ハァ?!」
「だから、」
「あなた“には”って何やねん…」
「エッそこ?」
「ッ?!」

罵詈雑言を覚悟していたのに、彼の発言は予想の斜め上で、思わずツッコミを入れてしまった。しかし、何故かかく言う彼自身も、何を言っているんだ自分はと驚いたように口元を抑えている。

「君、面白いねえ」
「……」
「本当にごめんなさい、じゃ」
「待っ「ぼーーーーーーんッ?!どいうことなんんんんん!!」

後ろでスタンバイしていた彼の友達が、こっちに目掛けて走り出していたのが見えたので、面倒なことになる前にその場から立ち去った。


2013/08/30
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