一年生の引率をしている私に嬉しそうに笑いかけるジニーが可愛くて抱き締めたくなる。
談話室に着くとジニーは私を引っ張ってソファーに座らせた。


「名前と一緒で私嬉しい」

「私も嬉しいわ」

「ハリーとも一緒だわ」

「ジニーはハリーが好きなのね?」


顔を真っ赤にしたジニーはローブをいじり始める。
可愛くて堪らなくて私は思わずジニーを抱き締めた。
すると後ろから声がして引き剥がされる。
フレッドとジョージが私とジニーを挟んで座った。


「そういえば、ハリーとロンがパパの車で飛んできたらしい」

「暴れ柳に突っ込んで退学になったって」

「退学にはなってないみたいよ」

「本当かシャロン」

「今二人が外に居たわよ」


顔を見合わせたフレッドとジョージはさっと立ち上がって入口の人混みへ消えていく。
いつの間にか談話室は騒然となっていて多分二人が入ってきたのだろう。
ジニーを見ると顔が真っ青になっていて、安心させるように抱き締めた。




翌日シャロンとジニーと朝食を食べているといきなり何かが爆発したような音が聞こえる。
大広間いっぱいにモリーさんの声が響いてそしてロンの近くに落ちていた封筒は燃えて消えた。


「モリーさん、相当怒ってるわね」

「自業自得だわ」


ジニーは顔を赤くして黙々とオートミールを口に運ぶ。
段々話し声が戻ってきた頃ジョージが隣に座った。
フレッドはシャロンの隣に座ってトーストに手を伸ばしている。


「あれ名前、そんな時計してた?」

「あ、これはシャロンがくれたの」

「ふぅん…ビルには貰ったの?」

「ビル?香水瓶を貰ったけど、どうして?」

「別にー」


そう言ってジョージはトーストにかじりつく。
変なジョージ、と思いながら私も最後の一口を放り込む。
マクゴナガル先生から受け取った時間割を眺めているとジョージが凭れかかって来た。
どうやら時間割を覗き込んでいるらしい。


「ジョージ、重いわ」

「名前頑張りすぎじゃないか。時間割詰まりすぎだ」

「大丈夫よ」


赤毛を撫でると体を起こしたジョージは拗ねてしまった。
ビルの手帳に新しい時間割を書き込んでいる間もブスッとした顔でトーストをかじっている。
羽根ペンでジョージの頬を擽るとピクリと頬が動く。
クスクス笑うシャロンとジニーに更にジョージはムスッとしてしまった。
フレッドは変に笑いを堪えた顔で口を開く。


「名前は去年もそれだろ?」

「そうよ。もう慣れたわ。それはジョージだって知ってるじゃない」

「…そうだけど」


相変わらず羽根ペンで擽っていると今度は腕を掴まれた。
去年まではそんな事を言わなかったのに不思議なジョージ。
チャーリーに言われた事もあったけれど。
腕時計が目に入って、ジョージの手を振り解く。


「ごめんなさいジョージ、不満なら後で聞くわ!北棟に行かなくちゃ!皆また後でね」


私はぽかんとしている皆に手を振って北棟へと急いだ。




(20121019)
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