ホグワーツ特急の監督生の車両で私を見つけたパーシーは顔を輝かせた。
「名前!やっぱり君が選ばれたんだね!そうだと思っていたよ」
「有難うパーシー」
私の隣に座ったパーシーはそわそわと辺りを見回し始める。
誰か探しているのだろうか、とパーシーの視線を追うと長い巻き毛の女の子が見えた。
あの子は確かレイブンクローのペネロピー・クリアウォーター。
彼女はパーシーに微笑みかけてパーシーも微笑み返す。
もしかしたらこれはもしかしたりするかもしれない。
「パーシー」
「なんだい?」
「可愛いわよね、ペネロピー」
「…名前、あいつらには言わないでくれ。特にフレッドとジョージには」
真面目の顔をするパーシーに頷く。
パーシーがガールフレンドだなんて、とても嬉しい。
ビルに知らせようか、けれど案外ビルもパーシーをからかう事が好きだから黙っておこうか。
出会った時よりパーシーはとても魅力的になったと思う。
「パーシーも恋をするようになったのね。あ、からかってるんじゃないのよ」
「名前、二年前に勉強だけじゃ駄目だって言っただろう?」
「言ったかしら?」
「ああ。少し解った気がするよ」
「良かった」
そう言ってパーシーはペネロピーの隣へ移動した。
私は皆を探すついでに見回りも兼ねて車両を移動する。
途中でドラコを見つけたけれど彼は窓の外に夢中だった。
それに彼に女の子が張り付いていたので声はかけない。
もしかしてあの子がパンジー・パーキンソンだろうか。
何回かドラコと一緒に居るのを見かけた事がある。
お目当ての人達を見つけてコンパートメントの扉を開けた。
シャロン、フレッド、ジョージ、ジニー、そしてハーマイオニー。
「あら、ハリーとロンは?」
「居ないの。列車内は探したんだけど」
俯いてしまったハーマイオニーをシャロンとジニーが励ます。
私はフレッドとジョージに手を引かれ、いつものように真ん中に座る。
此処まで歩いてくる間にもハリーとロンは居なかった。
ハーマイオニーが探したけど見つからなかったなら乗っていないのだろう。
「そうだわ名前、監督生おめでとう」
「名前凄いわ」
「有難うハーマイオニー、ジニー」
「全然おめでたくないよ」
「そうだよ。名前が俺達を減点出来るなんて」
笑顔のハーマイオニーとジニーとは反対にフレッドとジョージは拗ねていた。
どうやらこの二人は一人称が変わって少し成長したような気がする。
身長も多分今は殆ど変わらないだろう。
けれど相変わらず悪戯は続けるようだ。
「それはその時ね。ジニーは入学おめでとう」
「有難う!でもグリフィンドールじゃなかったらどうしよう」
「去年ロンも同じ事言ってたわ」
「大丈夫さジニー」
「ジニーはグリフィンドールだよ」
双子が励ますけれどジニーの不安は拭えないらしく、俯いてしまった。
(20121019)
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