水曜日に会おうと送られればOKを出したくなる。
オルコット家の暖炉はとても立派で、しもべ妖精に見送られて私は漏れ鍋へ到着した。
灰を払っているとシャロンも到着して二人で辺りを見回す。
けれど姿が見当たらず、とりあえず待ってみようと手近な椅子に座る。
暫くすると暖炉から見慣れた赤毛が出てくるのが見えた。


「名前!久しぶり!」

「久しぶりね、フレッド」

「シャロンも」

「私は名前のついででしょう」


私に抱きついたそのままの体勢で話すフレッドに溜息を吐くシャロン。
苦笑いしながら見ていると私の体にまた衝撃が加わって腕も二本増える。
かと思えばフレッドがスッと離れてシャロンの隣に移動した。


「久しぶりね、ジョージ」

「うん。名前が元気そうで良かった」

「ジョージこそ」


頭をポンポンと軽く叩くと今度は暖炉からアーサーさんが出てくる。
それに気付いてジョージも私から離れたけれど、隣から動こうとはしない。
次々出てくるウィーズリー家の人達と挨拶をしたけれど、モリーさんはそれどころではなかった。
ハリーが居ないと大騒ぎで、皆で探す事になり慌てて漏れ鍋から飛び出す。
やっと見つかった時ハグリッドとハーマイオニーも一緒に居てハリーは煤だらけだった。
モリーさんが落ち着いて歩き出した一行はなかなかの大人数。


「ジョージ、ノクターン横丁って?」

「危ない所なんだってさ。俺達も行った事ないんだ」

「ふぅん」


トロッコに乗る皆と別れてグレンジャー家の三人と待つ。
ハーマイオニーは慣れているけれど、ご両親は落ち着かないらしい。
気が紛れるようにと歯医者の事を尋ねると少しホッとしたように見えた。


銀行から出ると別行動となって散り散りになって気付けばシャロンと二人きり。
顔を見合わせて笑ってぶらぶらと歩き始める。
先程別れた筈のフレッドとジョージ、リーがギャンボル・アンド・ジェイプスいたずら専門店に入っていくのが見えた。


「そういえば、私お祝いを買わなくちゃ。名前が監督生になったんだもの」

「お祝いなんて要らないわよ」

「駄目よ。ビルに先を越されてしまったもの」


張り切りだしたシャロンに引っ張られて歩き出す。
昨日ビルからお祝いにとエジプトの香水瓶が送られてきた時、シャロンはとても悔しがった。
ビルはシャロンにもと二つ送ってくれたのだけれど、それとこれは話が違うらしい。


「あ、あれパーシーじゃない?」

「本当。一人だわ」

「パーシーに名前が監督生なんて言ったらまた本を贈られそうね」


苦笑いを返してシャロンの腕を引いてその場を離れる。
もう既にパーシーからは二冊贈られているけれどどちらも自宅の本棚に置かれたままだった。




(20121019)
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