キングス・クロス駅で小さな男の子に会ってそれがハリー・ポッターじゃないかと双子が騒ぐ。
ハリー・ポッター、と小さく呟いた私をフレッドが覗き込み、ジニーは顔が輝いた。
モリーさんと挨拶を交わして監督生の車両に向かうパーシーに手を振る。
控え目ながらも振り返してくれて、フレッドとジョージが顔を見合わせていた。


フレッドとジョージと同じコンパートメントに入るとリーの所へ行くと立ち上がる。
タランチュラに興味はなかったけれどはぐれたロンが気になって私も後を着いていく事にした。
シャロンに会えたらと思っていた事もある。
ふと後ろから声を掛けられて振り返ると栗色の髪の毛。
ふわふわでとても触り心地が良さそうだ。


「ヒキガエルを見ませんでしたか?ネビルのヒキガエルなんですけど」

「ヒキガエル?」


女の子の後ろに男の子が立っていてどうやら彼がネビルらしい。
見ていないと伝えると一瞬眉を下げてそれからお礼を言って歩いていった。
そこから少し先のコンパートメントにロンを見つけホッと息を吐く。
ノックをするとロンと黒髪の男の子が此方を向いた。


「名前!何処に居たの?」

「フレッドとジョージと同じコンパートメントなの。ロンを探しに来たんだけど、友達が出来たみたいね」

「うん。凄いんだ!ハリー・ポッターだよ!」


ハリーに自己紹介をするとハリーもにこにこと笑う。
せっかく友達が出来たのなら邪魔は辞めようと二人に手を振って元来た道を戻る。


着替えてビルから貰った本を読んでいると二人が戻って来た。
すかさずフレッドが隣に座ったけれど、ジョージに叩かれて着替え始める。
私が慌てて外に出るのをフレッドが笑いながら見ていた。




大広間に着くとやっぱりシャロンが抱き付いてくる。
受け止めたけれど今度は後ろから二人に抱きつかれた。
それをパーシーがムッとした顔で見ていて私は苦笑い。
四人を促して席に着くと一年生が入ってきた。
ロンやハリー、栗色の髪の子にネビルを見つける。
皆緊張しているらしく、名前を呼ばれると歩き方が固かった。
ぼんやりと組み分けを眺めていたらプラチナ・ブロンドが目に入る。
彼は満足気にスリザリンのテーブルへと走っていく。
名前を聞きそびれてしまったけれど、そのうち解るだろう。


ハリー、ネビル、栗色の髪のハーマイオニー、そしてロン。
皆グリフィンドールで特にロンが決まった時はパーシーがとても嬉しそうだった。


「名前、僕ちゃんとグリフィンドールに入れたよ!」

「おめでとう、ロン。言った通りでしょう?」


頷いてロンは向かい側に座り、隣のシャロンに話し掛けられている。
きっとシャロンはロンに興味津々なのだろう。
心の中でロンにエールを送りながら私は糖蜜パイをかじった。




(20121006)
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