いつものようにシャロンとチャーリーのクィディッチの話を聞きながら課題をやっていたらジョージがやってきた。
ジーッと私を見つめていると思ったらいきなり隣にやってきて思い切り抱き付いてくる。
一言も喋らずにただギュウギュウと抱き付くだけのジョージ。
いつの間にか会話を中断していたシャロンとチャーリーが目を丸くしていた。


「ジョージ、今日はいつも以上に名前に甘えるんだな」

「名前は私のなのよ」

「え?シャロン、そこなの?」


思わず突っ込んでしまった私にそうよ!と勢い良く答える。
笑っているらしく抱き付いた体が揺れて触れる髪の毛が擽ったい。
引き剥がそうと手を伸ばすシャロンをチャーリーが抑えている。


「フレッド、いい加減苦しいわ」

「え?フレッド?ジョージじゃないのか?」


驚いたチャーリーはシャロンを離していたけれど、シャロンも目を丸くしていた。
ジョージ…もといフレッドは私から離れるとニヤニヤとジョージの顔で笑う。


「なーんだ。バレてたのか」


力の弱まった腕から抜けてフレッドに向けて杖を振る。
首にあった黒子が消えて、少し垂れていた目が上がっていく。
相変わらずニヤニヤ笑っているフレッドの頬を軽く摘むとニヤニヤ笑いを止めた。
何処かへ行く気は無いらしく私の横に座ったまま。
そのまま課題を再開した私の教科書を覗き込む。


「ジョージはどうしたの?」

「ジョージはリーのところ。アンジェリーナ達を騙しにいってる」

「あら、アンジェリーナなら気付くと思うわよ」

「そうかなぁ」


肩に乗ったフレッドの頭の重みを感じながら教科書を捲る。
時間をかけて課題を終わらせるとシャロンとチャーリーは今度はドラゴンの話をしていた。
乗ったままのフレッドの頭を一度撫でてから課題を片付けていると腰辺りに腕が回る。
腰辺りに腕を回すのはいつも大体がフレッド。


「僕、名前が好きだよ」

「有難う。私もフレッド好きよ」

「名前、そういう意味じゃなくて」


耳元で呟くように言うフレッドの方を向く。
間近で見るとフレッドとジョージの違いがよく解る。
ただ、真剣な瞳の色は一緒に見えた。


「フレッドは私の事そういう風には見てないじゃない」

「どうかな?」

「だって、いつも見てるじゃない」


え?と首を傾げたフレッドだけに聞こえるように耳元で名前を言う。
フレッドはきょとんとした後、面白いとばかりに笑い出した。


「名前には敵わないな」


笑って、私に抱き付く力を強める。
そこにアンジェリーナ達の所から戻ってきたジョージが反対側から抱き付いてきた。




(20120916)
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