朝食を食べた後、クィディッチの練習を見に行くというシャロンと別れて私は図書館に向かった。
見つけたパーシーの横に机の上に高く積まれている本。
きっと課題をやっているのだろう、忙しなく羽根ペンが動いている。
私はお目当ての本を探し出してそっとパーシーの向かい側に座った。
普段私の側にフレッドとジョージが要る事が多く、パーシーはあまり一緒に居ない。
ビルがホグワーツに居る頃は談話室で課題をやる姿はよく見たけれど。
最近では図書館か部屋に籠もっているらしく、顔を見るのは久しぶりな気がした。
初めて会った時よりも成長しているパーシーの顔は幼さが残っていながら少しずつ大人に近付いている。
「あぁ、名前。来ていたのかい」
「本を読もうと思って。邪魔はしないわ」
パーシーは私の手にある本を見て柔らかく笑った。
成長しているのは身体だけでは無いらしい。
今度ビルへの手紙にパーシーの事を書こう。
なんだかんだと言ってビルはパーシーを心配している。
「今日はオルコットは一緒じゃないのか?」
「クィディッチの練習を見に行ったの」
「…そうか」
呟くように言ってパーシーは教科書に目を戻した。
私も持っていた本を開いて読み始める。
静かな図書館に羽根ペンの音と本を捲る音。
お昼前になり、課題が終わったパーシーと並んで大広間に向かう。
久しぶりに隣に並んだら身長が余り変わらなくて驚いた。
パーシーだって背は伸びているけれど同じように伸びたらしい。
「そういえば、クリスマス休暇はどうだった?アーサーさんにモリーさんは元気?」
「お父さんもお母さんもとても元気だよ」
「良かった」
「お母さんがまた夏休みに来て欲しいらしい」
「そうね…考えておくわ」
何気なく外を見ると雪が降っていた。
寒い中練習していたのか雪に降られながら皆が歩いてくる。
シャロンはチャーリーが風上になるように歩いていた。
フレッドが顔を上げ、私を見て笑顔になりパーシーを見てニヤニヤしだす。
フレッドにつつかれたらしいジョージは無表情のままだった。
二人に手を振って、パーシーの手を引いて道を急ぐ。
パーシーの抗議する声が聞こえたけれどそんなのは気にしない。
クィディッチチームの皆と鉢合わせるとシャロンが私に飛びつこうとしたけれど、チャーリーがそれを止める。
その間にジョージが真っ直ぐ此方に来て私とパーシーの腕を引っ張った。
べっとパーシーに舌を出したジョージは私の腕を離さない。
正直かなり冷たいので離して欲しいのだけど。
服だけでも、と杖を振ってジョージ、フレッドの順番で乾かす。
「名前、僕腹ペコだよ」
「待ってジョージ、まだ皆の服乾かさなきゃ」
「パーシーがやってくれるよ。未来の監督生様が」
ジョージに引かれ歩き出す横をフレッドがニヤニヤしながら着いてくる。
その内空いていた片手をフレッドが握るので仕方無く私は二人と大広間に向かった。
(20120912)
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