クリスマスツリーの飾りを一つずつ飾っていく。
ジニーはまだ小さいけれど、そんな事を感じさせない位しっかりしていた。
今だって台に乗りながら高い場所もテキパキ飾っていく。
それを心配そうにしているのはチャーリーで、いつでも受け止められるようにとうろうろしている。


「名前、一番上に手が届く?」

「うーん…私でも無理かも」


ジニーと二人で手を伸ばしてみてもまるで届かない。
私はチャーリーを見てジニーを見て一つ提案をする。
その通りチャーリーに抱き上げられたジニーの手はバッチリ一番上の星を飾った。
飾り付けも終わり完成したクリスマスツリーを見上げてジニーが笑う。
チャーリーがジニーの頭を撫でるのを見ながらキッチンを見る。
モリーさんが立っていて、その手には時計を持っていた。


「モリーさん」

「あら、名前。ツリーの飾り付けは終わったのね?」


モリーさんはクリスマスツリーを見て綺麗だわ、と微笑む。
時計の針を見てからとても嬉しそうに笑うモリーさん。
その後告げられた内容に私は二つ返事で頷いた。




ズレたマフラーを巻き直して辺りを見回す。
見えた赤毛に手を振って合図をすると同じように手を振る。


「名前。迎えに来てくれたのかい?」

「名前が来てくれるなんて嬉しいね」


ニコニコ笑うビルとアーサーさんは代わる代わる私の頭を撫でた。
二人の間に立って来た道を引き返し始める。
アーサーさんの持っていた紙袋を一つ持つと中でカラカラと音がした。


「あー…その、名前。その袋はモリーに見られる前に車庫にしまうんだ。良いね?」

「え?車庫に?はい」


よしよし、と笑うアーサーさんに首を傾げる。
モリーさんに見つかってはいけない物だろうか。
ビルを見上げると曖昧に肩を竦めたのでなんとなく中身が解った気がした。
車庫に入ると予想通りに電池やネジが沢山置かれていて目を見開く。
アーサーさんは私にも色々と聞くけれどこんなにとは思わなかった。
電池を一ついじりながらビルが微笑む。


「使えないと思うんだけどね。父さんは集めるだけで幸せなんだよ」

「クリスマスプレゼント、違う物の方が良かったかしら」

「何にしたんだい?」

「マグルの童話集にしたの。モリーさんも読んで貰えるかと思って」


喜ぶよ、と笑うビルと車庫を出て家へ向かう。
入った瞬間双子が飛んできてあっという間に私はビルから離されてしまった。
まだビルと過ごす時間はあるし、別に良いかなと双子に着いて行く。




(20120805)
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