シャロンに小声で夏休みの事を話していると組み分けを先に終えたフレッドが隣に座った。
その後駆け寄ってきたジョージはフレッドとは逆隣に落ち着く。
双子に挟まれた私を見て向かい側に並んでいるシャロンとチャーリーは笑った。
そういえば私の隣にはパーシーが居た筈なのだけど。


「寮でも名前と一緒だ」

「僕等のお姫様だ!」

「フレッド、変な事言わないで」


辞めて欲しくて言ったのにフレッドは大喜びして私に抱きつく。
溜息を吐いたら目の前にオレンジジュースが差し出される。
ジョージにお礼を言うとジョージも抱きついてきた。
シャロンがチキンを食べながら双子を交互に見比べている。


「名前、よく解るわね?えっと、フレッド?」

「僕はジョージさ!」

「あ、ごめんなさい」

「フレッドで合ってるわ。ジョージはこっち」

「名前凄いわ」

「だから名前はお姫様なのさ」


フレッドがニッコリ笑って言うのに合わせるようにジョージが何度も頷く。
それを聞き慣れたチャーリーとパーシーは全く気にしない。
シャロンはきょとんとしてからお姫様には納得だなんて頷く。
どうやらビルが居ないと助けては貰えないらしい。
今夜早速ビルに手紙を書こうと決意してポテトをかじる。


「そういえば、名前梟を買ったのね」

「あ、違うの。私が預かっているだけで、あの子はビルの梟なの」


そう言った時パーシー以外のウィーズリー兄弟が驚きの声を出した。
その反応に皆に言ってなかっただろうかと思い返してみる。
アーサーさんとモリーさんは知っている、と思う。
ジニーにも話したような気がする。


「話してなかったっけ?」

「聞いてない!」

「初耳だ!」

「ビルは名前の梟だって言ってたぞ」


パーシーまで私をジッと見ているのでやはり話していないらしい。
というか、ビルがチャーリーに私の梟だと言っていたなんてそれこそ初耳だ。
驚いているウィーズリー兄弟を余所にシャロンだけはニヤニヤと私を見ている。


「名前に預けるなんて、やっぱりビルとは仲良しよね」


ニッコリ、笑ったシャロンの言葉にチャーリーは純粋に頷く。
本当に仲が良いというか、話が合うというか。
私とビルの事を一番楽しんでいる二人だと思う。


「名前、僕等とも仲良くしよう!」

「せっかく同じ寮なんだ!」


フレッドとジョージが順番に言うのにもう仲良くしてると答えたら喜び過ぎて二人は何だかよく解らない歌を歌い出した。




「あら、ビルへの手紙?」

「そうよ」


窓から飛び立っていく影を見ていたらシャロンが現れる。
先程までチャーリーとクィディッチの話で盛り上がっていたのだ。
窓を閉めてベッドに座ると隣にシャロンが座る。


「夏休み、ビルとは過ごせたの?」

「うん。大体フレッドとジョージも一緒だったけど」

「やっぱり。あの二人名前に懐いてるわね」


くすくすと笑うシャロンは先程の事を思い出しているのだろう。




(20120721)
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