部屋に閉じ篭もるのも良くないし、と最近は図書室に入り浸っている。
此処はブラック家が代々読んできただろう本が沢山。
シリウスに言わせれば読む価値もないと言うけれどそうでもない。
闇の魔術は知っておいた方が良いし、対策も立てられる。
偶にハーマイオニーとクリーチャーが入ってくる以外余り人も来なかった。
クリーチャーと言えば最近シリウスは態度を改めたので前のようにブツブツとは言わない。
今日もいつものように本を読んでいたらロン達が入ってきた。
話があると聞いた内容はダイアゴン横丁でのドラコの事。
ハリーは自信満々にドラコが怪しいと言う反面ロンとハーマイオニーは困惑している。
「うーん…ドラコからそういう話は聞かないから解らないわ」
「名前はどう思う?マルフォイが死喰い人だって思う?」
「それはないと思う。まだ16歳だし」
「だから言ったんだハリー。名前も僕等と同意見だよ」
ロンの言葉にハーマイオニーもその通りだと頷く。
ハリーは不満そうな顔をして背もたれに凭れた。
恐らくハリーの言う通りドラコは何かをしようとしている。
それはあの日本人が言った事から何となく解った。
そしてその何かはとんでもない事なのだろう。
苦しそうで泣き出しそうなドラコの顔が浮かんだ。
「ハリー、貴方ドラコの事嫌い?」
「…解んない。確かに最近は何もないけどだからって好きになれないし」
「僕は好きじゃない」
「私は…どちらでもないわ。少なくとも今のマルフォイは嫌みなやつじゃないもの」
「でもそれはマルフォイが死喰い人な事と関係ないよ」
ロンとハーマイオニーの顔がうんざりした顔になる。
ドラコが死喰い人という可能性は充分に有り得る話だ。
マルフォイ家はあちら側だし、父親は死喰い人。
マルフォイさんはアズカバンに居るからじゃあドラコに、となるかもしれない。
けれどまだ未成年の16歳の子供を死喰い人にするだろうか。
「名前、何読んでるんだ?」
「これ?闇の魔術関係の本よ」
「なんでそんな物…誰かにかけるの?」
「何言ってるのよロン。名前は勉強してるのよ」
話題を変えたロンにハリーはまた不満顔をして黙ってしまった。
勉強という言葉に顔を顰めたロンにハーマイオニーが説明を始める。
ハリーの名前を呼ぶとそっけない返事が返ってきた。
「学校が始まって、ドラコに何かあったら教えて欲しいの」
「何かあるんじゃなくてあいつが何かをするんだよ」
「じゃあ何かしようとしたらで良いわ」
ムッとしながらも頷いたハリーの頭を撫でる。
間違いなく何かしようとしたという手紙は届くだろう。
(20130114)
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