談話室でフレッドとジョージが年齢を誤魔化す方法を議論している。
その声をBGMにドラコに借りた本を読む。
これは恐らくマルフォイ家の蔵書なのだろう。
本来ならばこの本は私が読む事の出来ない本だ。
それを家から持ってきて貸してくれたドラコには感謝してもしきれない。


「名前、それ魔法薬の本?」

「そうよ。ドラコに借りた本」

「ああ…何か、年齢誤魔化せそうな薬載ってない?」

「年齢誤魔化すなら老け薬があるじゃない」

「他の方法だよ」

「フレッド、私一応監督生なんだけど」

「そうだけどさぁ」


そこをなんとか、と言いながら抱きついてくるフレッド。
溜息を吐いてジョージを見るとムッとした顔をしていた。
ひらひら、と手を振ってみてもその表情は変わらない。
それに気付いたフレッドがニヤリと笑うのが見えた。


「ジョージくんはご機嫌斜めだな」

「誰のせいだ」

「はいはい、離れるさ」


ニヤニヤと笑うフレッドにジョージの機嫌は直らない。
面白そうにフレッドが見ているのも原因の一つだろう。
溜息を吐いて荷物を纏めて二人におやすみの挨拶をする。




翌日、授業を終えて夕食に行くと何やらざわざわしていた。
新学期早々誰かが騒ぎを起こしたのだろうか。
少しは注意をする監督生の事も考えて欲しい。
気分を重くなるのを感じながら騒ぎの中心を見る。
そこには白いケナガイタチが居て跳ねていた。
キーキー鳴きながら床にぶつけられては跳ねる。
苛立ちを覚えて誰がやっているのかを見るとそこにはムーディ先生。
ビルがムーディ先生は偉大な魔法使いだと言っていたのに。


杖を出そうと思った時マクゴナガル先生が現れた。
そしてケナガイタチが生徒だという事が判明する。
マクゴナガル先生が杖を振ると大きな音がしてケナガイタチがドラコに変わった。
信じられず人を掻き分けてドラコの元まで駆け寄る。


「ドラコ、怪我はない?」


乱れた髪の毛を直しながら聞くけれど返事はない。
プライドの高いドラコの事だ、こんな事は屈辱なのだろう。
幸い何処にも特に大きな怪我はしていないようだ。
コツ、と音がしたので振り返るとムーディ先生が此方を見ている。


「お前は、グリフィンドールだろう」

「はい」

「こやつはスリザリンだ。それに、お前はマグル生まれだと思ったが」

「そんな事、関係ありません」


ムーディ先生を真っ直ぐ見返すと動いていた青い目までも私を見た。
苛立ちを覚えた自分は前科があるので落ち着けと言い聞かせる。
後ろからドラコの声が聞こえてムーディ先生の意識はドラコに移った。
グイと手を掴まれて振り返るとドラコが私の手を握っている。
薄い青色の目はムーディ先生から決して離さないようにしながら。
少しだけ会話をしたムーディ先生はドラコの腕を掴む。


「ドラコ」

「心配ない」


小声でそう言うとムーディ先生と並んで地下牢へと消えていく。
二人が見えなくなった途端ざわつき始めた大広間。
マクゴナガル先生が本を集めているのを見ながら息を吐いた。




(20121204)
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