朝食を食べているとドラコがハリーをからかう声が聞こえてきた。
そちらを見ると意地悪く光るドラコの目が見えて後ろでクラッブとゴイルが笑っている。
ハリーが言い返すと今度はグリフィンドールチームが笑う。
そんなやり取りは気分が悪くて、私はトーストを持って立ち上がる。
着いてこようとしたフレッドとジョージに拒否の言葉を吐いて大広間を出た。


ドラコもドラコだけれどハリーもハリーだ。
ドラコだってしっかりクィディッチの練習はしている。
ハリーが吸魂鬼の影響を受けてしまうのは仕方ない。
お互いにどうしてからかい合うのだろう。
大人数で笑い者にするなんて以ての外。
スッキリしない感情で歩いていたら誰かにぶつかりそうになってしまった。


「やあ、名前。怪我はないかな?」

「あ、ルーピン先生。ごめんなさい、私考え事をしていて」

「おや、ご機嫌斜めだね。眉間に皺が寄ってるよ」

「え?」


クスクス笑う先生は自分の眉間を指す。
無意識に力の入っていた眉の力を抜くと先生はふんわり微笑む。


「先生の学生の頃も、グリフィンドールとスリザリンは仲が悪かったですか?」

「良いとは言えないね」


やっぱりそうか、と予想通りの答えに溜息を吐く。
けれど、何故グリフィンドールとスリザリンだけなのだろう。


「そうだ、名前。今日の試合なんだけどね、もし吸魂鬼が現れてハリーが危なかったら、助けてくれるかい?」

「あ、はい、勿論です」

「大丈夫だとは思うんだけどね」


念の為、と先生は微笑んで大広間に向かって歩いて行った。
ハリーがまた落ちるだなんて考えるだけで恐くなる。




双眼鏡で追っていたハリーが見事な守護霊を出した。
ハリーが持ち直したのを見てホッと息を吐く。
確認の為に銀色の牡鹿を追うと慌てふためいているドラコ達が居た。
まだからかっていたのか、と頭を抱える。
すると周りが爆発してハリーに目を戻すとスニッチを持っていた。


談話室はお祭り騒ぎなのにハーマイオニーは一人本を読んでいる。
ロンとハーマイオニーが談話室で喧嘩をしたのは充分知れ渡っていた。
スキャバーズの事は真相が解らないけれど、ロンの中では決まっている。
確かに状況証拠だけではクルックシャンクスを疑うしかない。


ハリーと話していたハーマイオニーが泣きながら階段を登って行く。
慌ててジニーが追いかけていくのが見えて私はソファーに体を沈めた。


「名前」

「なあに、ジョージ。私今楽しい気分じゃないのよ」

「知ってる」


真顔のジョージは隣に座ると私の肩に頭を乗せる。
今は私よりも背が高いからこの体勢は辛い気がするのだけど。
後ろでフレッドが何かをして盛り上がる声が聞こえる。
何をするでもなく、ただ横に居るだけのジョージ。
マクゴナガル先生が来てパーティーがお開きになる時までそのままだった。




(20121127)
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