普段学年別で遊んでいる時間、急な園長の思い付きで一緒に遊ぶ事になった。
クラスも学年もバラバラで校庭はあちこちがとても賑やか。
リーマスは下級生と遊んでいるしピーターは上級生クラスの担任であるナルシッサにベッタリだ。
同じく上級生クラスの担任のベラトリックスは何故か下級生に囲まれている。
好き勝手遊んでいるのをぼんやり眺めながら俺の天使、名前を探した。
見つけたと思たっらそこに居たのは下級生クラスの担任のレギュラス。
そしてレギュラスに普段ピッタリくっついているラバスタンと喧嘩している。
「私だってレギュラス先生と遊びたい!」
「駄目だ!俺が遊ぶんだ!お前はシリウスと遊んでろよ!」
ビシッと小さな指が近付いていた俺を指す。
けれど名前は全く気にせずにラバスタンを見つめている。
潤んできた瞳から涙を流すまいと目を見開く。
ラバスタンも負けじと見つめ返している。
瞬間、ラバスタンの手が振り上げられて名前の頭を叩いた。
きょとん、とした直ぐ後、今起きた事を理解した名前の瞳からついに涙が零れる。
泣き声を上げる名前を抱き上げて背中を叩いてあやしてみるけれど止まらない。
「こら、他の子を叩いちゃ駄目だよ」
「だって、名前はレギュラス先生を俺から取るんだ!」
「仲良く遊べば良いんだ」
「だってだって!」
駄々をこねるラバスタンをレギュラスに任せて少し離れた石段に腰を下ろす。
わんわん泣く名前の声はひっきりなしに耳元で聞こえている。
背中を叩いてみたり頭を撫でてみたりする手は決して止めない。
「名前、頭見せてくれよ」
「ラバス、タンがっ、ぶった」
「うんうん、痛かったな」
よしよしと頭を撫でてラバスタンが叩いたところを確認する。
赤くなってはいるけれど血は出ていなかった。
腫れてもいないから、冷やさなくても大丈夫だろう。
再び抱き付いてきた名前の背を撫でる。
沢山泣いたせいで疲れてしまったのか名前はそのまま寝てしまった。
赤くなっていたところもすっかり元の色に戻っている。
スヤスヤ眠る名前を落とさないように抱え直すとラバスタンが此方へ走ってきた。
「シリウス!あ…名前寝たの?」
「ああ、寝た。ていうかお前ちゃんと先生付けろ先生」
「名前、怪我した?」
「いや、してない。でも痛かっただろうな」
「シリウス…先生、これ名前に渡して」
「直接渡せば良いだろ?」
「だって、名前寝てるもん」
はい、と差し出された折り紙で作られた花を受け取る。
それにはピンが付いていて、髪に飾れるようになっていた。
きっとレギュラスと一緒に作ったのだろう。
俺が受け取ったのを確認するとラバスタンは走って行ってしまった。
目が覚めたら名前の髪に飾ってやろうか。
小さい頭を撫でながら喜ぶ名前の顔を思い浮かべた。
(20130825)
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