ホグワーツ生になってから二回目のテストも終わって、無事家に帰ってきた。
帰ったら名前の家に行こうと思っていたのに、家のリビングに名前が居る。
ロンを膝の上に乗せて本を読みながら僕に気が付いてにっこりと笑った。
まるでお帰りと言われたようで単純だけどそれだけでとっても嬉しくなる。


昼ご飯を食べ終わると庭小人の駆除を頼まれた。
兄弟皆で外に出て庭小人を捕まえる。
庭小人を投げて名前と一緒に居るロンを見た。
羨ましいと思いながら庭小人を追いかける。


「誰が一番飛ばせるか競争だ!」


チャーリーが言い出して、兄弟が横一列に並ぶ。
ロンの隣から名前が居なくなったのを見て何故か安心した。


「名前、誰が一番か見てて」

「良いわよ。皆同じ所から投げるの?」

「そうだよ!」


投げて、名前に結果を聞いて、捕まえて、また投げる。
いつもロンが一番下で泣き出してしまったところで終わった。
フレッドとジョージがからかうのを止めて名前がロンを抱き上げる。
羨ましいとは思うけど、同じ事をして欲しい訳じゃない。
じゃあ何をして欲しいんだろう、と考え始めた瞬間チャーリーに名前を呼ばれた。
庭小人はまだまだ居るらしい。




庭小人の駆除が終わって家に入るとママと名前がお茶を飲んでいた。
ロンもジニーも姿が見当たらないからお昼寝の時間だろう。


「じゃあ、私はそろそろ帰ろうかしら」

「もう帰っちゃうの?」

「名前、今日も僕らと遊んでよー」

「今日はもう帰らなくちゃ。ごめんねフレッド、ジョージ」


リナがフレッドとジョージの頭を撫でているとママが我儘を言わない、と怒る。
同じ事を言いたくなったけどママに怒られるのは嫌だ。
帰るのは薬作りがあるからか、それとも別の用事があるからか。
もし薬作りがあるんだとしたら手伝いに行きたい。
皆にお別れを言った名前の後をついて一緒に外に出る。


「明日行っても良い?」

「あら、今からって言うかと思った」

「今日は……ほら、ママの手伝いしなきゃ。それに弟達とも遊ぼうかなって」


名前の家に行くなら一人が良いし。
本音はなんとなく言う気にならなくて心の中で呟く。


「そうね。楽しみにしてるみたいだし」


笑いながら名前が言うから振り返ってみたらチャーリーとフレッドとジョージがこっちを見ていた。
パーシーとロンの姿は見えないけど近くに居るんじゃないかと思う。
弟達が手を振っているから振り返ってみたら名前も同じように手を振っていた。


「やっぱり、ビルのお家は楽しいわ」


そう言って僕の頭を撫でる。
ふと初めて会った時より名前の顔が近くなった事に気が付いた。
いつの間にこんなに背が伸びたんだろう。


「また来てよ。パパもママも弟達も喜ぶから」

「そうね。お隣さんだし」

「あ、勿論僕も嬉しいよ!」

「有難う」


名前の家に遊びに行く事が多いし、名前と二人の方が嬉しいと思うけど、家に遊びに来て貰うのが嫌いな訳じゃない。
大好きな家族と名前と過ごすのもとっても楽しい。


「じゃあ、また明日ね」

「うん、明日。約束だよ」

「約束ね」


名前はまた僕の頭を撫でると家に向かって歩き出す。
このまま見送っていたいけど、チャーリーの呼ぶ声がした。



(20160419)
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