ザアザア、文字にすればそんな感じだろうか。
ホットミルクティーを一口飲んで外を見る。
今日は生憎の雨で、お陰で銀さんはご機嫌斜め。
天パの敵、だなんて自然現象に怒られても。
とりあえず機嫌を直そう、と決心してみる。
「雨止まないですね」
「うん」
「銀さんパフェ溶けちゃいますよ」
「うん」
返事をするけれど手を動かす気配は無く、前に置かれたパフェは溶けかかっている。
銀さんはといえば不機嫌な空を顰め面で睨む。
睨んだって晴れたりしないのに、と苦笑い。
「銀さん銀さん」
「ん?」
「じゃーん」
紙ナプキンを使って作ったそれを見せると、吃驚した様な顔からゆっくりと笑顔に変わる。
指に引っ掛けゆらゆら揺れるそれを目で追う。
その表情はさっきと打って変わって楽しそうで。
「なんで天パなの、こいつ」
「モデルが天パなんです」
「ふぅん」
可笑しそうに笑い続ける銀さんにそれを手渡す。
木刀の先端に結び付けると漸くパフェを食べ始める。
溶けかかっていて不味いだなんて言うから自業自得ですよと言えば額をつつかれた。
喫茶店を出れば出迎えたのは気持ちの良い青。
「晴れましたね!」
「こいつのお陰だな」
「私のお陰ですよ」
「名前のお陰じゃないだろ」
「あ、酷いですよ銀さん」
木刀の先で揺れる天然パーマのてるてる坊主。
銀さんの右手にはお揃いの2つのマグカップ。
(20070716)
Just after the rain