※事後描写あり

「あれ。凌牙、ピアスなんてしてたっけ」

 息を整えていると、凌牙の下にいる遊馬が凌牙の右耳に触れながらそう言った。

「まぁ、いつも隠れてるけどな」
「もったいねー。どんなピアスか見てもいい?」

 好きにしろ、と言うと、遊馬は起き上がって凌牙のピアスを触りだした。
 自然と密着する体に、こいつはさっきまで自分達が何をしていたのか分かっているのかと、凌牙は頭が痛くなった。

「凌牙は赤より青のほうが似合うと思うけど」
「いいんだよ。お前の色なんだから」

 遊馬はわけが分からないと、少しだけ無言になって言葉の意味を考えた。
 言い方が悪かったのか、遊馬はすぐ諦め、分からないから教えて、と凌牙に言った。

「何回も言わせんな」
「じゃあもっと率直に言えよ!」
「あぁ?ならストレートに言ってやるよ!赤色っつったらお前の色だろうが!俺はお前が好きでずっと一緒に居たいから赤色つけてるんだよ!ただの自己満足だ!」

 さっきまでの雰囲気はどこへ行ったのだろうか。喧嘩口調で思いをぶつけられた遊馬は、ぎゅっと凌牙に抱きついた。

「えへへ、好きまで言ってくれると思わなかった!」
「お前…分かってたんじゃねーか!」
「凌牙!俺も凌牙のこと好きだぜ!」
「……おう」

 ピアス穴を開けようかなと言い出した遊馬に、凌牙は止めろと言って遊馬の耳たぶを噛んだ。



12/10/20

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