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誰だとこちらを向いた赤色の彼は、私達に気が付くとこちらへと歩を進めてきた。
青峰君も彼を知っていたし向こうも青峰君を知っているのだろう。
「良かった、お前無事だったんだな……!」
「?なんかよくわかんねえけど何でお前までここにいんだよ」
「人が心配してそれかよ、ったく。皆お前を心配して捜したんだよ。したらなんか……ああもう取り敢えず説明は歩きながらだ。あと、その、一緒にいたんだな」
青峰君から視線を外し私へと。少し難しい表情をしている。
あ、自己紹介した方がいいのかな。
「鈴木千春、で合ってるよな?名前」
名乗る前に彼の口からでた名前は確かに一文字一句違わず私の名前。
「えっ」
「えっ、わり、間違ってたか?」
「あ、名前は鈴木千春で合ってるよ、大丈夫」
「おう、良かった。俺は火神大我ってんだ。よろしくな……です」
「うん、よろしくね」
ふむふむ、火神大我君か。
いやそれより、何故私の名前を知っているのだろうか。
「あの、何で私のなま「何で名前知ってんだ?知り合いって訳じゃなさそうだけどよ」
「青峰君、私のセリフを遮らないでくれるかなあ」
「それも歩きながら説明する。そっちの状況もな」
無視かよちくしょう!
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