06
長く先の見えない廊下を歩く。
ここまで大分時間がたった気がするけど特に目ぼしいものは見付かっていない。
どころか扉さえない。
ただただ薄暗い廊下が続いているだけだ。
今のところ、ここには私達のいた部屋とその近くにあった部屋の2つだけ。
少なくね?
こんなに広いのに、変なの。
日本人形や奴のような不気味な奴には遭遇していないのが幸いだがあの日本人形は一体どこへ行ったのだろうか。大体奴はなんだったんだろう。
謎だらけな事ばかりだがまあ気にしていても仕方がない。
「堀北マイちゃんの雑誌落ちてねえかな」
「雑誌とか落ちてる様子はないね、諦めろ」
「ちっ、つまんねえな」
青峰君と雑談を交えながらひたすら歩くと右側の壁にあるものを見付けた。
煤で汚れた扉だ。
「えっ、ちょ、こんなとこに」
開ける?
青峰君にそうジェスチャーを送ると彼は頷く。
向こう側から鍵が掛かってなければいいけど。
扉の前まで行き、ドアノブに手をかける。
「開いた……!」
「よっし、進もうぜ」
静かに扉を開けるとそこには上へ行けるであろう階段だけがあった。
「階段だけみたいだね。上にあがれるみたいだよ」
「だな。さっさと行くぞ」
「あ、ちょっと待ってよ」
先に上る青峰君の大きな背中を追う。
ああ、この階段の先が出口だと嬉しいな。
←→
[戻る]