07
新八は朝から寺門通のコンサートに、神楽は定春と散歩。
仕事も入ってない今日はのんびり出来るなと思いながらソファに寝転がりテレビを点ける。
「なんもやってねーな、おい。いちご牛乳あったかな」
立ち上がり冷蔵庫を漁るがいちご牛乳は切れてしまっていたようでなかった。
「おいおいまじかよー。あとで新八に買いに行かせるか……いや、止めとこ。最近あいつまた糖尿がどうたらこうたらうるせえし、自分で買いに行くかな」
落胆しながら部屋に戻ったその時。
ドスンと鈍い音と共に、目の前に制服という奴を身に包んだ子供が数人降ってきた。
上を見るが穴は空いてない。
は?じゃあどうやって?
「もー、なんなんスか!てかここどこっスかね!?」
「ってえな……。おいテツ、さつき、無事か?」
「はい、なんとか」
「う、うん」
「というか誰なのだよ」
緑色の髪をした眼鏡のガキがこちらを睨め付けてきた。
他のガキもその一言でこちらに視線を集める。
いや誰って、それ俺のセリフだと思うんだけど。
「お前らこそ誰だコノヤロー。ここ俺ん家だからね?人の家に勝手に降ってきたのお前らだしー?取り敢えず不法侵入ってことで警察に連絡しとくから」
耳を小指でほじりながらガキどもに背を向け、デスクに向かおうと一歩踏み出すと袖を思いっきり引っ張られた。
おい俺の一張羅伸びちゃうじゃねえかバカヤロー。
「うわあああ待って待って、警察だけは勘弁して下さいっス!」
「ちょ、黄瀬てめっ、んな言い方したら俺らが悪いみたいになんじゃねえか!」
「そうですよ、全く黄瀬君は。すみません、勝手にお邪魔した形になってしまって。僕達も何が何だかよく理解出来てないんですが一応わけがあるんです、聞いてもらえませんか?」
俺の目の前に水色の髪をしたガキが謝罪をしながらペコリと頭をさ、げ?
瞬間、俺は叫び声をあげて机の下に隠れ……間違えた。
隠れたんじゃねえよ。
幻の大陸が見えただけなんだって。
別にオバケが怖いとかそんなんじゃないから、まじで!
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