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  某ボーダー隊員と行方不明だった幼馴染

タイトル : 未定





第一次近界民侵攻のとき行方不明になったなまえが、四年半ぶりに三門市に戻ってきた。

「四塚市から引っ越してきました、みょうじなまえです。よろしくお願いします」

あの日。
見たこともない化け物に街がぐちゃぐちゃに壊されて、訳が分からないまま避難所に逃げ込んで。友人や家族と無事を喜ぶ中で、なまえだけが、見当たらなかった。別の避難所にいるのかもしれないと両親に宥められ、繋がらない電話を通信混雑のせいだと自分に言い聞かせたけれど、結局、壊れた街をどんなに探しても、なまえはどこにもいなかった。あの時一緒にいたであろうなまえの両親の遺体は、すぐに見つかったのに。
なまえは行方不明という扱いになったものの、もう死んでしまったのだろうと思っていた。だって本当に、どんなに探しても見つからなかったから。電話も繋がらない、メールも届かない。なまえの家はぺしゃんこで、おじさんとおばさんは死んでしまっていて、だからもう、なまえだって。そう思って諦めたのに、二度と会えないと思っていた幼馴染が、目の前にいる。
生きていたのなら一言、言ってくれればよかっただろう。こっちがどんな気持ちでこの四年半を過ごしてきたと思っているんだ。
言いたいことは沢山あった。それでも本人を目の前にすると喉元までせり上がってきた何かに邪魔されてしまって、結局言葉に出来たのは、当たり障りのないたった一言だった。

「……久しぶりだな」

視線を上げたなまえがゆっくりと瞬きをする。あの頃よりずっと長くなった綺麗な黒髪が、さらりと揺れて肩から流れ落ちた。

「えっ?…あの、すみません。どちら様です……か?」

頭がガツンと、殴られたみたいだった。
嘘だ。そんな、何で。人違い?まさか。顔も名前も同じなのに、一体何の冗談だ。全く笑えない。あれだけ心配かけといて、こんなバカみたいな展開どうかしてる…。



***
タイトルも未定だけどお相手も未定。高校生組の誰かで書きたいです。
…三門市の隣町ってアニメだと四塚市って言ってましたよね??