フリーズした頭がなかなか働いてくれない。
「え? 僕と?」
「うんっ」
音符マークでも付きそうな感じで喋っているけど、僕のテンションは急下降をたどっている。
え?
え。
僕の根幹を揺るがす大きな勘違いをしていたのか。
僕の今までの妄想は妄想でしかなかったというのか。
「えーっと……、1つ聞いてもいいですか?」
「うんっ。なに?」
「あのぉぉぉ………もしかすると、光くんは、せ、せ、攻めなのですか」
「うんっ。知らなかったぁ?」
「ぎゃん!!!!!!!!」
やばい。舌噛んだ。
それと同時に死ねたらよかった。
こんなにも悲しいことがあるのか。
こんな可愛い見た目で攻めだなんて、僕そんな事許せない。
「ぼ、僕は、おいしくないので、その……………あれ?」
なんだか体が熱い。
じんじんしてくる。
特に股間あたりがズキズキと痛み出して、全身が発熱しているみたいだ。
「薬効いてきたね。僕ねぇ、媚薬使って、ぐずぐずにしてからエッチするの大好きなの」
「はぁっ、はぁっ、………あっ………なにこれ」
「ぐちゃぐちゃの穴に突っこむのが好き。巡くんのもすぐにぐちゃぐちゃになるからね」
頬を撫でられた。
それだけで身体がぶるりと震える。
ほんの少しの刺激だけで、身体が過剰反応する。
薬盛られた?
いつ?
あ、紅茶かな。
昨日の臣には紅茶に睡眠薬入れられていたのに、今度は媚薬とか。
生徒会は薬ばっかりだな!
それにしても、2日連続薬盛られるとか、僕どれだけ運ないの……。
頭上でチャイムが鳴っている。
今日最後の授業、6時間目だ。
またサボっちゃった。深海くんにも叱られるかもしれない。
「ねぇ、僕といい事しよう」
エンジェルは僕のシャツのボタンをプチプチと外していく。
「や、やだ。僕、エンジェルとは、僕、んぅ、そういうの、だって、僕のエンジェルだし」
言っている事が支離滅裂だ。
快楽を追おうと体が必死になっていて、それ以外の事に頭が回らない。
「エンジェル? 僕、エンジェルなの?」
「うん、うん、だから、エンジェルはそんな事しちゃだめなのぉ」
はぁはぁと、荒い息を吐きながら、後ろずさった。