深海くんと2人で学校に行って、授業を受ける。
なんだか久しぶりに授業を受けた気がする。僕って転校早々何をしているんだか。
こんなことじゃ、叔父さんから叱られちゃうよ。
勉強だっていまいち分からないし。
授業が右から左へと流れ去り、5時間目の休み時間。
僕はグラウンドが見える窓からぼーっと、BLウォッチングをしていました。
体育会系の♂×♂とか最高! アッー!
そんなおいしいカッポーはどこかにいないかな。
あっ、あそこでキャッチボールしている2人、背が高いのと低いのだ。
なんだか青春爽やかカップル?
キャッチボールしながらなにか喋ってる。
気になる。
ちょっと近づいてみようかな。
教室から1人出て、走ってグラウンドへと向かう。
1階の階段に差し掛かろうとした角で、ごつんと誰かとぶつかった。
「痛いぃっ!」
「きゃっ!」
きゃっ?
おでこを押さえながら、思わず声の主を確認すると、あれ?
え、え、え、エンジェルじゃないのぉぉぉぉ!
「えんじぇ、あ、光くん?」
「えっ? あ、巡くん?」
「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
「うん、巡くんこそ大丈夫?」
エンジェルは涙目で僕を見上げてきた。
はい、僕瀕死の重傷です。
鼻血が出ました。
「わっ、巡くん。鼻血出てる。ごめん、ティッシュ持ってないや。保健室すぐそこだから行こう」
「え、ちょっとくらい大丈夫です」
「だめだめ、ほらすぐそこだし、ね?」
「はいっ!」
ね?なんて言われて拒否れる男がいようか。
グラウンドの爽やかカップルを見るのは断念して、保健室に向かう。
「先生いるー?」
「いないんですかね?」
光くんは先生を知っているようで、きょろきょろと探しているけどどうやら不在らしい。
自分の部屋のように、ティッシュ箱をほいっと渡されて、それを受け取る。
鼻にティッシュを詰めていると、じっと光くんが僕を見ていた。