「巡はほんとに可愛いね。お肉なら何でもいいの?」
「可愛くないけど! お肉はなんでもいい。ハンバーグ以外が嬉しい」
なんといっても、お昼はハンバーグだったからね。
どうせなら違う方がいい。
まぁハンバーグは大好きだから、1日2回でも文句はないけどね。
「じゃあ、ステーキにしよっか。ルームサービスで頼むね。ついでに耳野も呼ぼうか。会いたいでしょ?」
「え、ステーキ? うれし! え、エンジェルも!? なんていう日なの。嬉しい」
臣は暴走する僕を甘やかすように、頭をよしよししてきた。
なんなの。この人。
前から甘ったるい人だと思っていたけど、糖度200%になってますけど!?
なんで。
「ねぇ、臣って、エッチした人とにはみんな甘々になるの?」
「え? ごめん、自覚なかったけど、どうだろう。巡の事は本当に僕の好みというか、可愛いと思ってるから、特別かもしれない」
「………は? はははは、ご冗談を。はははは」
こんな麗しい人が僕みたいな腐った男子を相手にするわけがないよね。
冗談も程々にしてほしい。
あ、ほら。
目の前にこんなに綺麗な男の子がいるのに………って。
え、え、エンジェル!?
エンジェルが怒った顔で臣の部屋に突入してきた。
スマホを手に、何やら怒っている様子だ。
「崎原! いきなりメールで呼び出すのやめてくれない? しかも、メールの内容意味不明なんだけど。お前の好みの子がいるから来ていいよって。崎原に僕の好み把握されたくないんですけど」
怒ってる。
完全に怒髪天。
可愛らしすぎるエンジェルでも怒ると怖い。僕、怖い人とか怒る人苦手。
僕が臣の後ろに隠れて、ぶるぶるしていると、エンジェルが僕の存在にようやく気付いたらしく、目を見開いた。
「え、君って、編入生の子? え、うそ! もう崎原に食べられちゃったの?」
「た、食べられたというか、なんというか」
「えー、うそぉ。ショック。光、悲しい」
エンジェルが眉を下げた。
僕は120のダメージを受けた。