目が覚めたら、夜中で、叔父さんが隣で眠っていた。
多分ここは叔父さんの学園内の寝室らしい。
大きなベッドだ。
叔父さんの元にすり寄っていくと、叔父さんが抱き込むようにしてくれた。
大人しく胸の中に入って、また眠りについた。
朝方、目が覚めて、叔父さんと一緒に朝食を食べてから、自室へと戻った。
寮の廊下を歩いていてもまだ誰も歩いてない。
腕時計を見ると、まだ朝の6時だった。
今日日曜日だもんなぁ、学校はお休みだし、まだみんな就寝中か。
自室をカードキーで開けて入る。
リビングに電気がついていて、おや?と首を傾げる。
中に入って行くと、ソファに座っていた深海くんが僕に気付いて、ハッと顔を上げた。
「起きてたの?」
「お前っ、どこ行ってたんだ!」
「え? え、あ、あの、理事長のとこ。親戚だから、えっと」
「……なんだ。編入して早々だし、お前馬鹿だから危ない目に遭ってんじゃないかと思って」
「……心配してくれてたの?」
「お前、次から朝帰りとかする時は言ってけよ。俺は寝るから」
はぁ…と、深海くんは深いため息を吐く。
よく見ると、目元には少しクマができていた。
僕のためにもしかして寝ないで待ってくれていたのだろうか。
心配して?
まさか、そんな。
スウェット姿の深海くんが自分の部屋に入っていこうとしているのに近づいて、後ろからぎゅっと抱き着いた。
「ごめんね、……深海くん」
彼は一瞬動きを止めて、首だけで僕を振り返る。
「別にいいから。離せよ」
「……うん、ごめんね」
僕の頭をくしゃっと撫でると、そのまま部屋に入って行った。
胸がトクンと音を立てた。
その理由がなにかはまだ分からない。