秘書さんが僕の横顔をじっと見ている。
「あの、かっこいい子も好きです。どちらも好きですよ」
「……へ! やはり! ……やはりなんですね!」
「は、い」
秘書さんの困ったような顔を置いて、妄想を膨らませる。
やっぱり彼は鬼畜眼鏡だった。
リバ要員決定!
誰とのカップリングがいいかな、やっぱり俺様生徒会長とかおいしすぎだよね!
「ぐふうう!」
妄想を悶々と膨らませながら理事長室まで案内されて、中に入る。
「あ、叔父さん!」
「巡くん、会いたかったよ」
叔父さんが立ちあがって僕を抱きしめる。
僕も叔父さんの背中に腕を回した。
叔父さんって今38歳なんだけど、本当にかっこいいんだ。
ダンディというか。
全然老けなくて、若々しいし、男前で、でも同年代の子と違って落ち着いていて好きなんだ。
僕のお父さんとは兄弟だけど、叔父さんの方が断然かっこいい。
お父さんはお母さんの手料理でちょっと太ったからなぁ、叔父さんはいつだってスマートだ。
「巡くん。今日はガトーショコラ用意したよ」
「えー、食べたい。叔父さんいつもありがとう」
「うん、こっちにおいで」
叔父さんは僕を膝の上に乗せて、フォークにガトーショコラを乗せて僕の口に運ぼうとする。
「叔父さん、もう僕高校生だよ。1人で食べられるよ?」
「ダメかい? 私が食べさせてあげたいんだ」
「うん、いいけど……。ちょっと恥ずかしい」
口を開けて入れてもらう。
味はおいしい。
叔父さんは僕を後ろから抱きしめて、スイーツを食べている僕を微笑ましそうに眺めている。
本当に叔父さんは甥っ子が好きだなぁ。
秘書さんも空気を読んで出て行ったし、叔父さんは小さな頃から僕を溺愛してくれていて、今もずっと変わらない。