「へぇ、そいつが裏口編入生か」
棘の含んだ物言いに顔をあげると、不遜な顔つきで生徒会長(仮)が見下ろしてきた。
「こら、帝(みかど)。あ、巡くん、紹介するね。こっちのでかいのが生徒会長の西園寺帝。で、こっちの小さいのが生徒会会計の耳野光(みみの ひかる)。今、書記はいないけど4人で生徒会してるんだ。紹介しておくね」
副会長は今度は胡散臭くない、さわやかな笑みで僕に笑いかけた。
やっぱり生徒会長だったのか!
それから僕の可愛い子ちゃんもやはり生徒会!
僕は副会長(正確には副会長の後ろのエンジェルに向かって)に笑みを返す。
「綾瀬巡です。今日編入したてです。よろしくお願いします」
後ろの2人に頭を下げる。
会計の耳野光くん!光くんだなんて名前まできゃわいい!
「光だよ。よろしくね。分からないことがあったら聞いてね」
「エンジェル! きゃわわ!………あ、こほん、よろしくお願いします」
やば。
一瞬エンジェルがきょとんとした顔で僕を見た。
汚物みたいな目で見られなくてよかったぁ。
あれ。
いつの間にか深海くんがいなくなってる。
先に帰ったのかもしれない。生徒会と絡んでほしかったなぁ、むしろ深海くん×エンジェルなんて鼻血もの!
「裏口で通用するほどこの学園は甘くねぇからな。勉強しないと置いてかれるぞ」
会長はふんと顔を背けると、スタスタと歩いて行った。
俺様萌えええええ!
なにあれ。道明寺ばりの俺様っぷり。はすはす。会長×エンジェル?
俺様×健気美少年とかアリすぎてやばい。王道すぎる!