僕より背は小さく、顔も小さく、髪なんてふわふわで、目はくりくりだ。
淡い栗色の髪はキューティクルで際立つ。
可愛らしい白いベストなんて着てる! 白ベストなんて可愛い子しか許されないお洋服だよ! くそ!理解してやがる。
なにあれ、テディベアを抱えていればもっと完璧だった!
あの子も生徒会なの?
それなら、生徒会に溺愛されているのか!?
食堂にいる生徒たちの野太い歓声は彼に注がれていたのか。なるほど。
彼とお近づきになりたい。
そして、彼の近くで僕は観察をしたい!
まじまじ見ていると、副会長がこっちを見てバチッと目が合った。
彼が手を振って近づいてくる。
あれ。
ついでにぞろぞろと残り2人も一緒に近づいてきた。
よしきたこれ!
可愛い子ちゃんと仲良くなるチャンス!
「巡くん! こんばんは」
「あ、こんばんは〜」
胡散臭い副会長よりも僕は、後ろに控える可愛い子ちゃんが気になっていた。
でも副会長は僕をにこにこと見下ろして、頭をぐりぐりと撫でてくる。
食堂のみんなの視線がこっちに向いていて恥ずかしい。
目の前の深海くんに助けを求めようとしても、彼はパエリアを食べることに集中していてこっちの状態はまるで無視を決め込んでいる。
「相変わらず可愛いね」
副会長は目が腐ってるんじゃないだろうか。
僕を可愛いだなんてよっぽどもの好きだな。それともからかってるのか?
まぁそれなら分からなくもない。
僕っていじめたくなるらしいからね。中学の時よく言われて、パンとか買いに行かされたものね。