ドキドキしています。
僕は今、自分の寮部屋の前に立っています!
315号室。
ネームプレート。
深海亮と書かれている横に、僕の名前綾瀬巡が書いてある。
ここで間違いない。
ということは、門番さんの言う“怖い人”は深海亮くんなのだろう。
怖い。不良とかは怖い。むり。
だけど、不良さんの周りにはきっと萌えがいっぱいだから、まず受けか攻めかだけでも知りたい。
受け要員の不良さんならちょっとだけ仲良くできそう!
ていうか仲良くしたい!
それで友達ポジションに君臨して、ちょっかいを出してくる腹黒生徒会とかを観察したい!
「ぐふ。ぐふ……いい!」
「きも。どけよ、邪魔」
「ひゃああ!!!」
いきなり頭上で声がして、妄想でトリップしていた僕は驚いて吹っ飛んだ。
壁にバンと激突して、頭をおさえる。
「いてて」
そんな僕の行動をまるで汚物みたいに見てくる人がいた。
怖い!
315号室の扉を、慣れた手つきでカードキーで開けている。
……深海亮!?
パツキンじゃないっすか!パツキン!パツキン!
あそこのおけけも金色ですか?って聞いてみてもいい?
いや聞ける雰囲気じゃない。
ていうか怖い。ちびりそう。
短髪のパツキンで、サイドは剃り込みが入っている。
背は高くて、僕が見上げるほどだ。よほど高い身長の持ち主だな。なんて言ったって僕はおよそ170センチあるのだから。
肩はしっかりあって、筋肉もついてそうだ。
ブレザーを着ているけど、彼は学ランが似合いそうなのにな。
むしろ短ランとか!おいしいです!