ヘタリアブームは僕の中で小学校卒業くらいまで続き、その頃までは武留に付きまとわれても嬉しく思っていた。
生ヘタリア万歳ってね。
でも中学に入って、叔父さんに携帯を買ってもらった事がきっかけだったな。
携帯小説にドハマリしてからはヘタリアへの興味が薄れて、武留の事興味なくなっちゃったからな。
それからは嫌がる僕に武留が付きまとうという、完全なストーカーに進化したんだよね。
回想をしていたら武留の日本人離れした美しい顔が近くにあった。
相変わらず綺麗な顔してるなぁ。
瞳も青いままだ。
リアルヘタリア! あの頃僕はヘタリアが好きで好きで武留を何度も見に行ったっけな。
いい思い出……。
「めぐちゃん、可愛い。俺のめぐちゃん。はぁ、はぁ」
こんなに残念な人になるとは知らなかったよ、僕は。
僕の頬に高い鼻を擦り付けて、何度もちゅっちゅっと口付けを頬に落とされる。
されるがままにさせていると、調子に乗ったのか、首筋に唇が下りてきた。
「んっ……、ん」
武留とこんなに近づくのは初めてだ。
武留はあれからいつもつかず離れずの距離で僕を見守っていた。
僕はいじめられやすいみたいで、よく男の同級生からお尻を触られたり、乳首をつねられたりしていたけど、武留はそんな奴らをいつも蹴散らして、守ってくれていた。
それ以外の武留の行動は、学校からの出待ち、家の前を徘徊、隠し撮り、私物盗難、まぁそんなところだ。
私物を盗られても、大抵新しいものが代わりに置かれていたから、大して困ることはなかったし。
まぁ武留は厄介なストーカーだけど、あまり実害はなかった。
「めぐちゃん、あぁ、可愛い、可愛い」
「武留。首、弱いから、そんなに舐めないで」
「めぐちゃん、ここも男に触らせたの?」
「あぁっ、ん!」
高い声が上がる。
武留の鼻息が一層荒くなった。
乳首を制服のシャツからつままれた。
僕は中庭の芝生の上に腰を下ろして、武留はその上にのしかかってきた。