「や、やっ、だめ。そんなの、認めない。僕は認めないよ!」
「ね、いいでしょ。ちゅう、しよ」
光くんの綺麗な顔が近づいてきた。
肌は真っ白で、陶器みたいに透き通っている。内側の血管まで透けて見えそうだ。
まつ毛がバサバサと音が鳴りそうなほど長い。
綺麗なコーヒー色の瞳に、赤みを帯びた頬。
唇は薔薇色で、思わず触れたくなるようにぷるぷるしている。
「ちゅうして。巡くん、お願い」
至近距離まで詰め寄られて、僕はふらふらと吸い寄せられるように顔を近づけた。
ぷるんとした唇が、ああ、触れちゃう。近い。
「んぅ……」
光くんの鼻から抜けるような声が漏れた。
可愛い。たまらなく可愛い。
柔らかい。
僕の唇で簡単に押し潰れてしまう。
「もっとして」
猫みたいな、甘えるようなその声に、僕の男の部分が刺激される。
マシュマロみたいな唇をもっと味わいたい。
この学園に入って以来、リードされるばかりだったけど、光くんはじっと僕を潤んだ瞳で見つめて待っている。
なんて可愛いんだろう。
攻めの方々の気持ちを理解する。
甘いキスがたくさんしたくなって、唇をまた重ねた。
「ん、………んぅ」
「……ふ、ん……」
お互いの吐息が漏れる。
くちゅくちゅと鳴る水音がいやらしい。
光くんの唇は本当に柔らかかった。
彼はそのうち角度を変えて、僕に唇を押し付けてきて、僕は喜々としてそれを受け入れた。
食まれるように唇にキスされる。
だんだん深くなるキスに思わず息が上がる。
「ふ……、ん、ん」
「巡くん、きもちいね」
「うん……。ん、きもちいぃ」
「ね、口開けて。もっと気持ちいいことしよ」
「ん、ぁ。あ、……あ」
言われた通りに口を開けると、にゅるりと光くんの小さな舌が入り込んできた。
甘い味がする。
砂糖菓子みたいな甘い味。
ケーキを食べたからだろう。
夢中になって、口付けを交わした。
くちゅくちゅ。
お互いの唾液がまじりあって、甘い音を立てた。
キスを繰り返しているうちにだんだんと部屋の温度が上がったような錯覚を覚えた。
僕はいつのまにか、はぁはぁと荒い息を零していて、光くんはそんな僕をじっと見ていた。
気だるそうで、色っぽいまなざしで。