君は僕のエンジェルでミューズ☆
エレベーターにカードキーをかざすと、生徒会のある特別階まで着く。
廊下でさえも一般階と違って高級感がある。


臣の部屋とか会長の部屋にお邪魔したことがあるから、きょろきょろしたりはしない。

光くんと繋いでいる手だけをぎゅっと見つめた。
僕の手もそんなに大きくないけど、光くんの手も小さい。

背丈も同じくらいだろうか。
いや、少し光くんの方が小さい。

なんて可愛いんだろう。
栗色の髪はふわふわしていて、綿あめみたいだ。


光くんの部屋に入ると、ふんわり甘い香りがした。
アロマでも焚いているのかもしれない。

王道の受け要素を抜群に備えている。
理想的な受け。ベストオブ受け。
やはり光くんは僕のミューズだ!!!!



「お邪魔しまぁす」

「どうぞ」

意外にもベージュでまとめられた部屋は落ち着いていて、パステルカラーでも想像していた僕は拍子抜けした。
まぁパステルカラーはさすがにベストオブ受けでもやりすぎだよね。

光くんはそういうあからさまなことはしない子なの!


しかし、とうとう部屋まで来てしまった。
今日はBLにまみれて過ごそうと心に決めていたというのに。
僕はそんなに意志の弱い子だったの!?

いやまだ時間はある。
すぐに引き上げて、部屋に籠ることにしよう。うんそうしよう。


「巡くん、ケーキ好き?」

「好きです!」

「じゃあ、僕の事は?」

「大好きでっす!」

「僕も巡くん好きー」

光くんは冷蔵庫を開けながら、振り返ってはにかんだ。


「ぐっはあああ……、うう、胸が苦しい」

「大丈夫?」

「大丈夫じゃない。胸に穴が開きそう」


肺が痛い。
あまりのときめきに胸がドキドキうるさい。

あんなの反則だよおお!誰だってコロリだよおおお!
仕方ないよ!
僕がBLの誘惑に勝てずにのこのことエンジェルの部屋に来たって仕方ないよ!

おいしそうなショートケーキとモンブランと紅茶を2つ運んできた光くんは、僕の隣に腰掛けた。
距離が近い。
高級そうなふわふわソファはスペースがかなりあるのに、光くんは僕の太ももにぴったり太ももをくっつけている。


僕はその太ももを、鼻を膨らませて凝視した。


ま、まぁいいけど?
いい香りとかしないでもないし、別にいいけど?


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bkm
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