13
「下も。脱がして」

「……はい」


椎名がゆっくり俺のベルトを外す。
履いていた黒のパンツをゆっくり脱がされた。

下着1枚になった俺を、下から上へ舐めるように見た。

下着はすでに盛り上がりを見せていて、それを隠すように手でおさえようとすると、椎名に手を握られた。

「見てっておっしゃった割には恥ずかしいのですか」

「だって。椎名はまだ綺麗に服着てるのに。俺だけ」

椎名が優しく笑って、俺の頬をするりと撫でた。

「私も脱いでも?」

「うん。脱いで。裸でぎゅってして」

「はい」

椎名がおもむろに服を脱ぎだした。
俺の服を脱がすときは、ボタン1つでも丁寧に外していたのに、自分の服の扱いは乱暴だ。

椎名がカッターシャツを脱ぐ。
俺には無い、大きな胸板が見えて、心臓がきゅっと疼く。


「椎名。ぎゅってして」

自分のベルトを外している椎名に声を掛ける。
自分の声が思ったより掠れていた。

椎名が脱ぎ終わるまで我慢できない。


「ふふ、私が脱ぎ終わるまで待ってくれないのですか?」

「むり。待てない……っ」

椎名の大きな手が俺の背中に回る。
掬い上げるように抱きしめられて、テーブルに腰掛けていた俺が浮き上がる。


腰を抱えられて、抱っこされる。
素肌同士が触れ合って、椎名の心臓の音が聞こえてくる。


「椎名。好き」

「私も千紘さまが好きです」

椎名の右手が背中を撫でて、脇腹へと移動する。

俺は宙に足をぶらぶらさせて抱っこされたまま、椎名にしがみつくように首に両腕を回している。

顔が近い。
綺麗な顔をじっと見る。
眉1つ取っても美しくて、神様がこいつだけ丁寧に作ったんじゃないかと思う程だ。

赤くて艶のある唇をうっとり眺めていると、椎名の目が俺を捕えていることに気付いた。
目が合う。

燃えるように熱い瞳。
お互いに吸い寄せられるように唇を合わせた。


「んっ、ん…………ふ、」

「……はぁ、」

唇が合わさって離れる。
ゆるく開いた口から椎名の舌が侵入してくる。

俺の舌をたやすく絡め取ると、それから上の歯列をぐるりと舐められた。


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bkm
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